MEIKO、鏡音リン・レン…ミクさんの個性豊かな仲間たち
次は初音ミクの前後に登場した代表的なボーカロイドキャラを紹介してみたい。
初音ミクより先に、同じクリプトン社から発売された初の日本語ボーカロイド製品が「MEIKO」。ボイスはシンガーソングライターの拝郷メイコさんが務める。パッケージイラストを女の子にしたことで比較的売り上げが伸び、それが後の初音ミクをはじめとした「キャラクター・ボーカル・シリーズ」へ繋がっていったという。あらゆる意味で彼女が初音ミクのお姉さんだと言える。
そんなイメージを反映してか、ニコ動に投稿されている動画ではMEIKOはミクたちの姉役・まとめ役として登場することが多い。本来の製品イラストより顔つき、体つきともにアダルティな雰囲気にアレンジされる傾向があるようだ。
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MEIKOと並んで初音ミクのお兄さんにあたるのが、男性ボカロキャラの「KAITO」。ボイスは歌手の風雅なおとさんが担当した。外見はさわやかなイケメンなのだが、どういうわけかニコ動ではギャグ要員、ネタ要員として扱われる動画が続出。街中で裸マフラー姿になってみたり、女キャラ「KAIKO」に性転換させられてみたり、いじられ系キャラとしても親しまれている。いちおうフォローしておくが、本来の用途である歌唱力も相当高いレベルだ。
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初音ミクのヒットを受けてリリースされた後発組が「鏡音リン・レン」と「巡音ルカ」。リン(♀)とレン(♂)は公式設定ではないものの、ファンからは双子として扱われることが多い。ともに年齢設定は14歳、初音ミクよりイラストの容姿もかなり幼く活発な印象を受ける。ボイスは声優の下田麻美さんが一人二役を担当している。
歌声はクセが強いと評されるが『炉心融解』『ココロ』『パラジクロロベンゼン』など、初音ミクにも劣らないほどヒット曲が多い。世界観とストーリー性を重視した異色の楽曲『悪ノ娘』はニコ動を飛び出し、舞台化&ノベライズされた。
二次創作のMMD動画では初音ミクやMEIKOたちと親交が深く、同居している設定も目立つ。リンとレンが2人セットで登場する際はほのぼの系動画が多い が、男性ボカロキャラの宿命だろうか、レン単独だとネタキャラにされる傾向が強い。思春期の少年らしく(?)ミクさんのタンスから下着を漁るなど暴走する ことも頻繁。そっち系の動画には「レンとパンツシリーズ」という不名誉なタグまで付けられている。
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そんな鏡音リン・レンに続いてリリースされたのが「巡音ルカ」。スレンダー系だった先代、先々代と対照的に凹凸が激しい女性的なスタイルで、ボイス担当者にも年上キャラの演技に定評がある声優、浅川悠さんを起用。ファンの後付でキャラクターが出来上がっていったMEIKOとは違い、こちらは最初から“お姉さんキャラ”を意識している様子だ。公式年齢も20歳とやや高め。
やはりメジャーなボカロキャラだけにヒット曲は多く、個人的なイチオシは製品リリース当初に発表された『ダブルラリアット』。本家動画とともに、新規手描きアニメを追加した『ダブルラリアットに合わせてチャーハンつくるよ!』も非常に泣ける逸品。
巡音ルカはクリプトン製のボカロキャラとしては最後発なためか、二次創作の動画でもミクやリン・レンのようにイロモノ化されることは少ないようだ。「タコルカ」としてクリーチャー化されても、初音ミクのそれ(シテヤンヨ)とは違って非常にかわいらしい。ただし妖艶なビジュアルのせいで、ちょっとセクシー系なお絵かき動画の題材にされることがちらほら。けしからん。もっとやれ。