「食パン」はサクサク食感、噛めば噛むほど甘い味わい

帰宅後、さっそく実食。まずは食パンから。
 

薪窯の食パンはとにかく皮がうまい。とくに底の部分は感動的だった

2センチ厚に切り、そのまま食べてみた。皮が厚くて香ばしく、噛みごたえもあり、噛めば噛むほど甘みが出てくる。

薪窯に接していた、パンの底の皮が厚いだけでなく、サクサクしていてまるでブリオッシュのような食感だった。

翌日、トーストにしてみた。拙宅にはトースターがないので、ガスコンロのグリルで片面を2分半ずつ計5分焼いた。

両面がパリパリに焼けたパンをそのまま賞味。サクサクとした音も耳においしいかったし、噛めば噛むほど甘味がじわじわと出てくる。
 

両面を2分半ずつ焼いた。何もつけずそのままが一番うまかった

3日目、トーストし、バターをぬったが、何もつけないほうがうまいかも。

結論。『パン屋 塩見』の食パンは、食パンではない。食パン以上だ。これまで食べてきた食パンとは次元が違った。

皮が滅法うまい。とくにパンの底。底がうまいパンを食べたのははじめて。これが塩見さんがいう薪窯パンの一番の特徴なのかもしれない。

「カンパーニュ」酸味が強いが、噛めば噛むほど甘みが出る

続いてカンパーニュを実食。
 

噛むほどの甘みを感じるのが塩見さんが薪窯で焼いたカンパーニュの特徴

1センチ厚にスライスし、そのまま食べてみた。薪焼きの特徴なのか、若干皮に苦味がある。酸味が強いが、噛めば噛むほど甘みが出てくる。ブルーチーズをのせたら酸味が緩和され、よりおいしく食べられた。

翌日。1センチ厚に切り、トースト。

3〜4日目。トーストし、ハチミツかけたら酸味が和らぎおいしかった。
 

カンパーニュにブルーチーズをのせてもうまかった

チーズや生ハム、レタスなどをはさみ、サンドイッチにしてもいいかもしれない。

取材を終える直前、奥様でレジ担当の千葉智江さんが教えてくれた「おいしい食べ方」が印象的だった。

「椅子に座り、落ち着いてよく噛んで食べるのがいちばんおいしいと思います」

なにをつけるかよりも大切なことを教わった気がする。心の余裕がないとおいしいものもおいしく味わえない、ということなのかもしれない。

塩見さんのパンは食パンもカンパーニュも皮がしっかりしているのでよく噛む。

出勤前や通学前なら、いつもより少し早く起きる。時間に余裕を持って『パン屋 塩見』の薪窯で焼いたパンと向き合うとよりおいしく賞味できるはず。

奥様でレジ担当の千葉智江と塩見さん

パン屋 塩見

東京都渋谷区代々木3-9-5
TEL:03-6276-6310
営業時間/12時〜18時(売り切れ次第閉店)
定休日/水・木・第1・3火曜
食パンはホール918円、1/2 486円
カンパーニュはホール1728円 、1/2 918円、1/4 486円(すべて税込)
予約可(電話か店頭で)Twitter Instagram
 

東京五輪開催前の3歳の時、亀戸天神の側にあった田久保精肉店のコロッケと出会い、食に目覚める。以来コロッケの買い食いに明け暮れる人生を謳歌。主な著書に『平翠軒のうまいもの帳』、『自家菜園のあるレストラン』、『一流シェフの味を10分で作る! 男の料理』などの他、『笠原将弘のおやつまみ』の企画・構成を担当。