公文が2020年11月、小学校1~3年生の子どもがいる世帯の母親1,000人、父親800人を対象に「家庭学習についての調査」を実施しました。
「オンライン学習において問題になった点」として「子どもの集中力」と回答した保護者は28.6%、「子どものモチベーション」は26.2%という結果でした。
一方で、最近は自宅学習の際に、オンラインで友達とつながりながら勉強するという中高生の新しい動きも見られます。
ベネッセコーポレーションが2022年1月~2月に行った調査では、休校中、中学生の51.9%が「オンライン自習サービスを利用した」と回答しており、コロナ前の2020年2月の20.3%と比べて2.5倍に増加しています。
そこで今回は、自宅学習の「集中力」の保ち方と、家で友達とつながる効果について、「StudyCast(スタディキャスト)」という中学生・高校生向けのオンライン自習サービスを提供するベネッセコーポレーションで、StudyCastの責任者を務める永田祐太郎さんにお話をうかがいました。
子どもの「自宅学習」集中力を保つにはどうしたらいい?
1.学習環境を整える
永田祐太郎さん(以下、永田)「通常は、家と学校の往復で気持ちの切り替えができるものですが、休校だとその機会がありません。
さらに、相次ぐ休校や学級・学年閉鎖で、行事で盛り上がったり、友達と遊んだりする機会も減ってしまい、ストレスの解消がしづらい状況です。
『やる気を出そう!』という保護者の方の声かけも大事ですが、ずっと声をかけ続けるのもむずかしいものです。まずは環境から整えてみる、といった簡単なことから始めるのもよいかもしれません」
2.学校があるときと同じ時間に起床する
永田「学校があるときと同じ時間に起きるのをおすすめします。学校がないと、特に朝などはだらだらしてしまうもの。朝起きるのが遅れ、生活リズムが崩れると、つい勉強は後回しになってしまいがちです。
そんな中『勉強しなさい』と子どもに言っても逆効果になることが多いです。なので、『勉強しなさい』ではなく、『学校があるときと同じ時間に起きよう』などハードルの低い声かけから始めてみるのも良いかもしれません。
学校に行くときの生活リズムと、休校中の生活リズムを変えないことで勉強に向かうモチベーションを少しでも高められると思います」
3.適度な息抜きも大事
永田「子どもの集中力を持続させるために、適度な息抜きは重要です。ただ、家だと誘惑がたくさんあるので、必ず時間は何分まで、など決めてください。
息抜きの時間は、子ども自身が好きなことをしてリフレッシュするのがいいと思います」
4.勉強する範囲を決める
永田「テストで間違えた項目をおさらいする、暗記を重点的にやるなど、テーマを絞って勉強するのも集中力が続くコツです。
やることをリスト化して、勉強したことは消していくなどするタスク管理もおすすめです」