親友役が上地雄輔と知って、最初は不安だったんです(笑)

撮影/藤田亜弓

――ご自身も“リアル上地雄輔”さんに相談するとのことですが、役柄同様、おふたりも親友だとか。

今はプライベートではほとんど会いませんけどね。雄輔もムロツヨシもそうなんですが、プライベートではもう充分会って話しているから、「仕事で会うのが一番幸せだ」と言っています。雄輔なんて芸能界に入る前からの仲なので、お互いに全て見てきていますからね。

今回、キャスティングを見たときに、最初は不安だったんです。これまでにも共演はしていますが、ここまでの関係性のものはなかったので、「あいつちゃんとやるかな」「ちゃんとセリフ覚えてくるかな」って(笑)。実際に仲がいいからこそ、作品を壊しちゃったらと心配でした。

――とてもいい空気感でしたね。

初めて雄輔に感謝しました(笑)。萩崎にとって、村木と一緒にいるときが、唯一ホッとできる時間なんです。セリフのやりとりじゃないところで雰囲気って出ますし。印象的だったのが、村木の部屋で、絵津子と3人でご飯を食べていて、萩崎と村木が小さめのソファに座って、横並びでお蕎麦をすすっていたんです。そのとき、いい歳したおじさんふたりが、ピタっと肌をくっつけて食べているんですよ。

『連続ドラマW 松本清張 眼の壁』

――確かに。よく覚えています。

ピタッと太ももから腕から雄輔と僕とで密着して。演出があったわけではなく、そのことに違和感がなかったんです。ほかの役者さんだったら、もっと距離を離しますよね。僕と雄輔だから、お互いに壁に寄りかかっているみたいに楽でそのまま芝居していた。やっぱり本当の親友じゃなきゃできなかったと思いますし、内片輝監督からも「ふたりが本当の親友で救われました」と言っていただきました。