変化した音楽に対するさくらしめじの関係値
――今回、初めてのことだった、ということなんですが、ここ1~2年でコミュニケーションの取り方が変わったということもあるんですか?
雅功 今までも、もちろん曲を作っていたんですけど、お互い、もう一歩踏み込むようにはなりましたね。アレンジもするようになったりして。他の人の曲を聴いたときも、「ここはこうなってるね」とか「この曲はこういう仕組みになってる」という会話はすごく増えました。
彪我 うん、増えたね。
雅功 日常的な関係値は中学1年生のころから全く変わってないんですけど、対作曲、対作詞に関しては、ちょっと変わったのかもしれないね。
彪我 確かにね。
雅功 あと、2人とも経験値や知識が増えてきたので、自信を持っていい意味でお互いに意見できるようになりましたね。それをちゃんと聞く耳も持てるようになったので、そこは大きいかな、と思います。
――音楽に対する技術や知識をお互いに高め合っていこうとした結果、なんですね。
雅功 教え合ったりもするので。さっきもやってたんです。
彪我 そうそう、ごはんを食べながら(笑)。まだスキルは全然高くないんですけど。
――いろんなアーティストの方とのコラボもいい影響になっていますか?
彪我 それはありますね。
雅功 フェスに出ると、20歳になったとは言えまだ20歳なので。周りは年上のアーティストの方が多いので、吸収することばっかりですね。それに2人一緒に話を聞いていても、受け取り方が少し違っていたり。
彪我 確かに!
雅功 そういうすり合わせを2人で話していくことは増えた気がします。
2人で作り上げた『春しめじのお花し』
――「春しめじのお花し」は今年2回目の開催でしたが、前回とはやはり変化がありましたか?
雅功 去年やったお話しは、「お花し」が一発目ということもあって、みんなに受け入れてもらいやすいようにファンタジー寄りにしていました。今回は2作目だったので、より僕たちを知ってもらいたいし、もっと近い距離で見てもらいたいな、と考えたときに、リアリティのあるものにしようと思って書いたのは大きいですね。
――役にも入り込みやすかったですか?
彪我 脚本も、普段の話し方に寄せてあるんですよね。それこそ「一人称はどっちで書けばいい?」とか、「こういうセリフ言う?」って聞かれたり、本当に寄り添って脚本を書いてくれたので、スッと入り込めました。多分、観ている方にも、前回とはちょっと違うな、ということは感じてもらいやすかったんじゃないかな、と思いますね。
雅功 作品を通して僕たちを知ってもらいたくて。普段のライブでも、もちろん僕たちのことは知ってもらえるんですけど、作品を一つ通すからこそ、知ってもらえる部分っていうのはあるのかな。別に僕らが解散の危機にあるとかそういうことではなくて。
言葉にしづらいですが、もっと深く踏み込んで、僕らの素の部分をお芝居に乗せることで、届けられるものがあるんじゃないかな、ということは感じました。だから、逆に大人っぽくしよう、ということもあんまりないです。意識はしましたね。
――冒頭の朝食のシーンも素っぽかったですね。
彪我 そうですね。あれはほぼアドリブシーンでした。
雅功 そうなんですよ、彪我にアドリブをさせる場面が2~3回あってね。
彪我 面接の練習をするシーンがあるんですけど、台本を読んでいたら、「面接練習するか」のセリフのあと、「面接練習を始める」というト書きがあるだけ。これ、どういういうこと? って聞いたら、アドリブだよ、って(笑)
雅功 それにも理由があって、僕だけ、になりたくなかったんですよ。話を作っている流れ上、一言一句、僕が決めてるじゃないですか。それは仕方ないんですけど、そうじゃなくて彪我も一緒にやりたいっていうのがあって、アドリブをいれましたね。
彪我 ありがとうございます(笑)
雅功 楽しかったでしょ。
彪我 楽しかった!(笑)。それ含めての作品になったんじゃないかな。