デジタル機器が登場してから子どもに起こった変化とは?

デジタルスクリーンがなくてはならないものとなった今の時代では、できれば「スマホは使い方や使用時間に気をつけて、良質のコンテンツを選べば問題ない」と思いたがる人が多いのも理解できます。

ですが、そもそもデジタルスクリーンを生活から取り除いたところ、状況が一転したというケースもあるそうです。

それ以前に知っておきたい驚きの事実があります。子どもの生活にデジタル機器が出現してからの10数年で、学童期の発達障害が爆発的に増えているというのです。

日本では2006年から2019年のあいだで、ASD(自閉症スペクトラム障害)、は6.5倍、ADHD(注意欠陥多動性障害)は14倍、LD(学習障害)は11.5倍に増えていると試算されています。特に数の多いADHDは、児童の10人に1人いるとも言われています。

出典『デジタル子どものデジタル脳 完全回復プログラム』

米国小児科学会は、3歳未満の子どもにはデジタルスクリーンを見せないことを推奨しています。日本では、もう数十年前から「テレビに子守り」をさせることに対する批判はありましたが、今はスマホに赤ちゃんや幼児の「子守り」をしてもらう家庭も増えています。

地域での横のつながりが希薄になったことで、孤独な親が他人よりも身近なスマホを頼る気持ちもわかりますが、それにしても衝撃の数字です。

ゲームも電子書籍も学習アプリもリスクは変わらない

本書では、テレビなど一方向的なデジタルスクリーンを「受動的デジタルスクリーン」、スマホやタブレット、ゲームなど双方向的なものを「双方向デジタルスクリーン」と分類しています。双方向デジタルスクリーンは受動的なものと比べて、依存しやすく、睡眠・気分・人間関係の問題に悪影響を与えやすいとされています。

双方向デジタルスクリーンには、ゲームだけでなく、学習目的のアプリや電子書籍も含まれます。「ただ眺めているだけの受動的デジタルスクリーンよりも脳にはいいのでは?」と思いませんでしたか?

実際には、テレビを漫然と見ている方がずっと脳の受けるダメージは少ないというから驚きです。

子どもにとって睡眠は非常に重要ですが、近年では寝不足で日中ぼーっとしていたり、朝どうしても起きられない子どもの問題は増えています。睡眠がデジタルスクリーンから受ける影響は、双方向スクリーンだと受動的スクリーンの4倍も大きいそうです。

デジタルスクリーンは「使用時間」「コンテンツや活動の内容」に関係なく、子どもの脳を蝕みます。

寝る直前までゲームやチャットアプリをしていてデジタル機器が手離せない子どもも増えていますが、悪いのは内容だけではありません。たとえ学習アプリや電子書籍であっても、紙の本では受けない影響を与えます。

電子書籍を読むデジタル機器という媒体そのものが、情報を処理する際に脳に負荷を与えるため、記憶力や理解力が低下することが研究結果からわかっています。

iPhoneの生みの親であるスティーブ・ジョブズを始め、シリコンバレーのトップたちは子どもたちにデジタル機器を早くからは与えませんでした。デジタル機器が子どもに与える悪い影響について熟知していたからでしょう。