パン屋に入ったとき、たくさんのパンを目の前にして、迷ってしまいませんか?
また、買ってきた後、より美味しく食べる方法も知りたいですよね。
そこで今回は、パンの種類別の美味しい食べ方について、パンのワールドカップで、日本勢が初優勝した際のキャプテンを務めたこともある、カネカのパン職人 山﨑隆二さんにうかがいます。
また、同社が運営する、全国のパンの名店から直接お取り寄せできる、モール型ECサイト「ぱん結び」で取り扱っている美味しいパンもピックアップしてもらいました。
買ってきたパンの美味しい食べ方
早速、山﨑さんに食パン、フランスパン、菓子パン、総菜パンの特徴と、買ってきた際の美味しい食べ方を教えていただきましょう。
1.食パン
山﨑隆二さん(以下、山﨑)「食パンには角食と山食があります。角食は、真四角な形で、きめ細かい生地としっとり食感が特徴。
トーストすると、外はサクサク、中はもっちりとした味わいに。山食は、上が丸い形で、ふわふわと軽い食感が特徴。トーストするとサクサクな味わいになります。
また、砂糖や卵・油脂の配合量が少ない食パンと多い食パンがあり、味わいに大きな違いが出ます。
配合量の多いパンは、生食パンと呼ばれており、甘く、しっとりとしており、耳まで柔らかいのが特徴です」
●食パンの美味しい食べ方
山﨑「一般的な食パンはトーストして、冷蔵庫から出したたてのバターを『塗る』のではなく、『のせて』食べるのをおすすめします。
バターがじゅわっと溶けている部分と、冷たいバターの部分が口の中で合わさり、なんとも言えない美味しさです。
砂糖や油の配合が多い生食パンは、そのままトーストせず、何も塗らずに食べることをおすすめします」
2.フランスパン
山﨑「フランスパンの原材料は、基本的に小麦粉・塩・イースト・水の4つのみでシンプル。だからこそ、小麦の味わいを感じられます。
使用している小麦粉によってフランスパンの断面の色に違いが出ます。
小麦粉に含まれる灰分とたんぱく値の違いにより、灰分が高いものが茶色く、灰分の低いものが比較的、白い傾向にあります。
小麦を製粉するときに灰分値を調整することで、最終的なパンの色に違いが出ます。
また最近は健康志向により、塩分の少ないフランスパンが作られるようになっていますが、塩の配合量の0.2%程度の違いでも、フランスパンの味わいには大きな違いが出ます」
●フランスパンの美味しい食べ方
山﨑「カットしたものを軽くトーストして、オリーブオイルに塩を入れたものにつけて食べるのがおすすめです。
またフランスパンは、何をのせてもおいしくお召し上がりいただけます。
例えば、ひじきや切り干し大根など、ごはんに合うものは何でも合います。
色々と試してみることで、自分だけのお気に入りのフランスパンのおともが見つかるかもしれません」
3.菓子パン(メロンパン・あんぱん・コロネ・クリームパンなど)
山﨑「油脂や卵、砂糖の配合率によって、生地の味わいに変化が出ます。
配合率が高いと、ブリオッシュと呼ばれる、風味豊かで、リッチな味わいになります。
組み合わせるフィリング(具材)によって生地の甘さなどを調整しています」
●菓子パンの美味しい食べ方
山﨑「温めたり、冷やしたりせず、常温のままのほうが美味しくお召し上がりいただけます。
ポイントは、購入したら、とにかく早目に食べること。遅くとも翌日中には食べましょう。
クリーム系のフィリングだと、パン生地がフィリングの水分を吸って、食感が変わってしまうこともあります。
また保存は、乾燥を防ぐため、ビニール袋に入れたまま、常温がおすすめです」
4.総菜パン(カレーパン・ソーセージロールなど)
山﨑「総菜パンの生地は、パン屋さんによって、菓子パン用と同様のものを使っている場合もあれば、甘くないコッペパンのようなものを作っている場合もあります。
『パン生地×具材』の組み合わせにより、多種多様な味わいや食感を楽しめます」
●総菜パンの美味しい食べ方
山﨑「トースターで温めることで、焼きたての味わいになります。面倒だと思っても温めましょう。
また、カレーパンなど揚げてあるパンは、焦げやすいのでアルミホイルでくるんで温めると良いです」