子どもの肌トラブルの予防法&薬局で買えるおすすめ医薬品

子どものいろいろな肌トラブルに関して、日頃からできるケアの方法について教えていただきました。

水氏「乳児期の『あせも』は、寝返りなどまだ身動きができない出来ない赤ちゃんに多く見られます。

だんだん涼しくなってきたとはいえ、まだまだ暑い日もあります。

新生児から乳児は体温が大人より高く汗をかきやすいので、寝かせているときにあせもができてしまいやすいです。

対策としては、まずはこまめに着替えをさせてあげること。

痒みを放置すると自身の爪で皮膚を傷めてしまい、そこに細菌が入ってくると『とびひ』(※)という少し特別な治療が必要な症状になってしまいますので注意しましょう。

日頃から爪を短く切るようにすることも、シンプルですが効果的な対策です。

また、皮膚の保護剤として、薬局でも気軽に購入できる『白色ワセリン』は、小さなお子さんがいるご家庭はぜひ常備しておいていただきたいです。私も使用しています。

乾燥や痒み、かぶれによる小さな子どもの肌トラブルを防ぐ効果がとても高いです。お風呂上がりなど清潔な肌にこまめに塗ってあげてください。

アトピー性皮膚炎は医療機関を受診して、ステロイド薬使用でじっくり時間をかけて治療していくことが基本ですが、より治療効果を高めるために、ステロイドの前後にワセリンを塗ることを推奨しているドクターも多いです」

※『とびひ』…正式病名は『伝染性膿痂疹』。ブドウ球菌や溶連菌が原因で起こる皮膚の感染症。火事のようにあっという間に広がることから『とびひ』と呼ばれる。

あせも、虫刺され、湿疹などを引っ掻くなどの傷に二次感染を起こすことでとびひになる。医師の処方による抗菌系の軟膏を塗り、ガーゼで患部を覆い、こまめに取り替えるなどの治療が必要。

肌トラブルは予防が大切です。水さんが今日お伝えしてくれたことを参考に、子どもの肌を守ってあげてください。

また、「かかりつけ医」とともに、「かかりつけ薬局」も作っておいて、なにかあった場合はすぐ相談できるようにしておきましょう。

お薬手帳も活用し、症状や気になることなど書き込んでおくと、小児科や皮膚科の先生との会話もスムーズですし、 子どものことをよく理解してもらえますよ。

【取材協力】水 八寿裕(みず やすひろ)

株式会社実務薬学総合研究所 代表取締役
武蔵野大学薬学部講師/ 東京理科大薬学部臨床准教授
1993年東京理科大学薬学部製薬学科卒業。同年薬剤師資格取得。1995年同大学院修士修了。2011年の東日本大震災発災時に自身の故郷の福島を中心に医療支援を行い、ともに活動した医療者から「医療の原点」について強い感銘を受けた。製薬MR(医薬情報担当者)出身という視点を生かした薬剤師のありかたを模索している。
現場で使える!【早引き】介護のための薬剤事典』(ナツメ社)監修。共著にマンガではじめる薬局マネジメント: 薬局長サポートブック』(南江堂)

3万人を超える人の悩みを解決するコーチ&カウンセラーとして活躍。 2010年、その経験を活かしてコミュニケーション心理スキルを紹介する、コミュニケーションライターとして独立。一般社団法人日本聴き方協会認定シニアインストラクター・認定シニアカウンセラー。 [ブログ]