新しい価値観を次につなげていく

――特色として、ステージ構成に合わせて、入れ替え制を導入していますね。ここにはどのような狙いがあるのでしょうか?

まずはテクニカルな部分で解決しなければいけないポイントがありました。というのも、第一体育館のキャパが約1万1000人で、一方第二体育館が約3000人。フェス風にジグザグのタイムテーブルを組んだとして、1万1000人が第二体育館に流れたらどうなるんだろうと。8000人が入れなくなってしまう。けれど、そこは地の利を生かせれば面白い提案ができるんじゃないかと思ったんです。

つまり、チケットの券種は複雑にはなってしまいますが、入れ替え制を導入することによって、参加してくれる方々の目的や楽しみ方に合わせて自在にアレンジしてもらえるんじゃないかということです。

例えば、第一体育館の1st STAGEの指定席を購入してライブを楽しんだ後にマーケットで買い物をして、ついでに渋谷の街で食事をして行こうとか、2nd STAGEを楽しむ前に渋谷のミニシアターで映画を観よう、というふうに、楽しみ方の意識を街まで広げてもらえれば、今までにはない体験をしてもらえるんじゃないかと思いました。もちろん1日券でガッツリ『INSPIRE TOKYO』を楽しんでいただいても構いません。

――第一体育館はステージがふたつあるんですね。「SHIBUYA STAGE」と「HARAJUKU STAGE」。

これはセットチェンジの時間をなくして、シームレスにライブを楽しんでいただけるように、という工夫からそうしました。ふたつのステージで交互にやっていくことで一気に音楽を浴びる、まるでプレイリスト的なライブ体験をしてもらえればと思います。

――あと興味を惹かれるのが、マーケットです。ここにはどんな特色を持たせているのでしょうか?

ここは完全に無料スペースでどなたでも来て楽しんでいただけるエリアになります。他のフェスと比べても、フードもオリジナリティーが高いですし、フード以外も存在感がこれだけ強いマーケットは珍しいのではないかなと思っています。

「CRAFT SAKE WEEKEND」には日本中から人気の酒蔵さんが集結しますし、「ETHICAL MARKET」では本当に良いものだけを取り揃えているという自信があります。

「CRAFT SAKE WEEKEND」
「ETHICAL MARKET」

――小宮山雄飛さんがプロデュースする「CURRY COLLECTION produced by 小宮山雄飛」は、すごく東京っぽい企画だなと思いました。

ありがとうございます。カレーと言えば、渋谷区のお土産としてなんですけど、小宮山さんと渋谷区観光協会と一緒に「TOKYO STREET CURRY」というものを作って実際に会場で販売するんですよ。

2年間常温保存ができて美味しく食べられるというもので、防災の観点からも役に立ちますし、廃棄野菜を使用しているのでフードロスの問題にも取り組んでいます。それとお肉は一切使用していなくてソイミートを使っているのでビーガンの方でも安心して食べていただけるものになっています。

我々のポッドキャストで『TOKIO CURRY CLUB』というのもありますし、ミュージシャンとカレーっていうのは何かと相性がいいですよね。

カリガリ