不登校の解決のために・・・見直しておきたい親子と夫婦のコミュニケーション

子どもの不登校を解決するには、表面的なものだけを見て考えるのではなく、夫婦や親子のコミュニケーションを見直すことも必要なのですね。

では、どのようなコミュニケーションを取ればいいのでしょう?お話を伺いました。

1.家族や夫婦の問題に目を向ける

「兄弟の中で、あの子ひとりにだけ責任や期待を押し付けて苦しめていないか?」
「夫婦の問題で不安にさせていないか?」
「祖父母と私たちの間の問題で苦しめていないか?」
・・・など、家族や夫婦の間で、子どもにとってなにかストレスになっている事柄はないかを、振り返って考えてみましょう。

たとえば、夫婦間に諍いや問題が起きると、子どもは「自分のせいだ」と無意識にそう捉えます。

夫婦間になにか問題があるときは、「子どもには関係のないことだから」と考え、子どもを問題から無視するのではなく、夫婦の間のことで子どもに不安にさせていることはないかを聞いてみましょう。

そして、「夫婦の間に何があっても、お父さんもお母さんもあなたのことを大切に思っている」ということは伝えてあげてほしいと思います。

2. 夫婦間の方針を一致させる

夫婦間ですべての考えが一致しないのは当たり前のことだと思います。しかし、こと重要な事柄に関しては、普段から話し合い、方針を一致しておくことは大切です。

不登校に関する考え方もそうです。

母親と父親で言うことが違うと、子どもは混乱し、どちらの言うことを聞けばいいのか分からなくなります。

子どもが混乱しないよう、夫婦ともに不登校に関する知識を深め、どういう方針で不登校に向き合うのか?を一致させておきましょう。

3.「ちゃんと見ているよ」「大切に思っているよ」ということを子どもに伝える

自分は愛されている、両親がいつも関心を向けてくれている、と思うと、子どもは安心感を得て、外の世界に向かう勇気が持てるようになります。

忙しくても親子の会話は大切にして、子どもに「自分は愛されている」ということを常に実感させてあげましょう。

また、できていないことを責めるのではなく、できている面や良いところに目を向けて、プラスの声掛けをしてあげることも、子どもの自己肯定感を育む上でとても大切です。

まとめ

家族のひずみや問題というのは、渦中にいるとなかなか捉えづらいもの。そして、夫婦や親子は、近くにいるからこそ、素直に本音を言い合えないということもありますよね。

もし、今子どもの不登校に悩んでいて、いろいろ考えても解決しない場合は、今回お話をお伺いした不登校支援センターのカウンセラーの方々の力を借りて、客観的に夫婦や家族の問題について見つめてみる機会を持つというのも、とても有効な手立てになるのではないでしょうか。

【取材協力】桒原航大 くわばら こうだい
一般社団法人不登校支援センター理事。教育大学で発達臨床コース生徒指導総合分野を専攻し、道徳性の認知発達について学ぶ。
小学生から大学生まで様々な年齢の生徒へ向けた自立支援活動や、職員の研修・育成、また講演会などでも活躍。

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3万人を超える人の悩みを解決するコーチ&カウンセラーとして活躍。 2010年、その経験を活かしてコミュニケーション心理スキルを紹介する、コミュニケーションライターとして独立。一般社団法人日本聴き方協会認定シニアインストラクター・認定シニアカウンセラー。 [ブログ]