日本の中華料理店でセットメニューを頼むと、最後にマンゴープリンか杏仁豆腐が出てくることが多い。
私が小さい頃、中華屋さんで食べた杏仁豆腐は固くて匂いがきつく、あまり好きになれなかった。以来、杏仁豆腐には苦手意識があったのだが、それを変えてくれたのは、台湾での杏仁豆腐との出合いだ。
私がハマったのは正確には杏仁茶という杏仁豆腐のような味がする汁物で、温めて甘いスープのように飲んだり、冷やして冷たいドリンクのように飲んだりする。
今回は自宅で簡単に作れる台湾式の杏仁豆腐を紹介しよう。
日本でも最近はアーモンドミルクが流行っている。杏仁と同じバラ科サクラ族の植物の果実なので味や香りが似ている。低カロリーなのもうれしい。
AmazonやKALDIのオンラインで「杏仁霜(きょうにんそう)」という粉末を販売しているのを見て、杏仁スープや杏仁豆腐作りにチャレンジしてみた。
杏仁豆腐は、杏仁霜の粉末と砂糖と水を混ぜて火にかけ、溶かしたゼラチンと混ぜて冷蔵庫で固めればできる。
水ではなく牛乳や生クリームを入れるととろみが出る。カロリーが気になる場合は牛乳の代わりに豆乳を入れてもいい。
杏仁茶(といってもお茶は入っていない)は杏仁霜に水と砂糖を混ぜるだけで、固める手間すらない。
台湾中西部・嘉義の民族路と光華路が交差するところのロータリーにある露店では、生卵を落とした杏仁茶と油條(揚げパン風スティック)を売っていた。油條を杏仁茶につけて食べると美味しいのだ。
これを再現したかったのだが、油條は手作りするにはちょっとハードルが高い。そこで、パン屋さんで購入したクロワッサンで代用してみた。
脂っぽいところが旨みでもあるクロワッサンなら、油條の代用になる。
杏仁茶は、お湯200ミリに対して杏仁霜大さじ1、砂糖大さじ1/2程度。これを鍋にかけて熱々にする。砂糖や杏仁霜の量は好みで調節してもいいだろう。
そして、スープ用の器やカップなどに生卵の黄身を入れたら、そこに熱々の杏仁茶を注ぎ入れてさっとかき混ぜる。
白い杏仁茶が黄色っぽくなり、味も濃厚に。ここにクロワッサンをひたすと、杏仁茶の甘みにクロワッサンの脂が溶け出し、コクが出る。朝食やおやつ代わりにおすすめだ。