【豚肉専門料理店とんかつのり】オヤジは断固ソース派。キャベツにもソースをどぼどぼかけないと気がすまない

大盛り無料のご飯がめちゃくちゃうまい

トンカツを食べつつ、ご飯を頬張る。

ランチのご飯は、とくに定食の場合、原価を下げるために安い米を使う店が多い。

そんな世間の常識に反し、この店の米は一粒一粒が立っていて、めちゃくちゃうまい。炊き方も完の璧。

「新潟産コシヒカリを土鍋で炊いています」

どおりでうまいはずだ。

「おかわりは別途200円いただきますが、大盛りは無料です(笑)」

腹ペコなら最初から大盛りを頼むのが正解。

この店のランチでもうひとつ感動したことがある。お盆に置かれた、左上の小鉢に注目!

【豚肉専門料理店とんかつのり】惣菜を1品付けてくれるところが有り難い。気がきいているなあと感心させられる

「本日の小鉢は水菜と油揚げのおひたしです。すべてのランチに小鉢を付けさせていただいています」

けっして大それた料理ではないかもしれない。けれど、こういう小さな幸せがうれしいのだ。

ご飯もうまい。惣菜もうまい。「林SPF」の豚汁もしみじみうまい。もちろんトンカツも。

「メンチかつランチ」のお味は?

もう少し食べたかったので、「メンチかつランチ(850円)」を頼んだ。

【豚肉専門料理店とんかつのり】「メンチかつ」にもおいしいご飯と小鉢が付いていた

「メンチカツのひき肉も『林SPF』100%です。豚肉に玉ねぎやキャベツを混ぜたものをラードで揚げています」

個人的には豚肉と玉ねぎだけのメンチカツが好みだが、キャベツを加えることで繊維質を摂ることができるだけでなく、野菜が多い分、軽い仕上がりだった。

【豚肉専門料理店とんかつのり】豚肉の他、玉ねぎやキャベツが入っている

今回食べられなかったが、「ヒレかつランチ」や「豚の生姜焼きランチ」もある。

次回は豚の生姜焼きを頼むつもりだ。「林SPF」の生姜焼きは未体験ゾーン。

それにしても岡野さんはどんだけ「林SPF」が好きなんだ。

「蒲田で食べた『林SPF』のトンカツが最高にうまかったんですよ。店を持つなら『林SPF』を使おうって決めてました(笑)」

『とんかつのり』は、「林SPF」に恋した男が始めた豚肉料理専門店なのだ。

恋するあまり、とんかつだけでは満足できず、夜は「林SPF」のしゃぶしゃぶを提供している。

ひとつだけ残念なことがある。

ラードで揚げたトンカツの香りを届けるアプリがないことだ。

なのでぜひ、中野の銘店でラードの香りがたつ、揚げたてのトンカツを食べてきてほしい。

【豚肉専門料理店とんかつのり】この豚の看板が『とんかつのり』の目印

【豚肉専門料理店とんかつのり】

住所:東京都中野区中野5-56-15
電話:03-5942-7078
営業時間:11時~14時30分 、18時~22時 (LO21時30分) 定休日:月曜

東京五輪開催前の3歳の時、亀戸天神の側にあった田久保精肉店のコロッケと出会い、食に目覚める。以来コロッケの買い食いに明け暮れる人生を謳歌。主な著書に『平翠軒のうまいもの帳』、『自家菜園のあるレストラン』、『一流シェフの味を10分で作る! 男の料理』などの他、『笠原将弘のおやつまみ』の企画・構成を担当。