過去問で点数を取ることは重要ではない!?

——2つ目の『過去問で点数が取れない』についてはどうでしょうか?

石田「これについてもまた、多くの人が勘違いしている部分があります。過去問は『解いて点数を取る』ことが目的ではなく、『研究すること』が目的になります。

これは高校受験や大学受験も同じですが、志望校の出題にはどんな傾向があるのか、最悪どの問題を捨てるのか、といったシミュレーションのためにやるのが過去問研究なのです。

実は、この過去問研究は『どれだけの点数が取れたか』はあまり重要ではなく、自分の中に志望校の出題傾向のパターン構成の刷り込みを行うことが大事なのです」

——逆をいえば、一年分の過去問を解いて良い点数が取れたからといって、その学校の出題傾向が合っているとは限らないということもあるのでしょうか?

石田「もちろん、そういった可能性も十分にあります。先ほど、『たまたまこれまでに解いたことがない知らない問題が出てきただけで、成績が落ち込んだわけではない』ということを話しましたが、そのようなことが起こるのであれば、その逆のパターンもあり得ますよね。

過去問は大体3〜5年分を研究してみてください。研究して傾向やパターンを読み取ることが目的なので、最初から解答を見ながらでもかまいません」

——解答を見ながらでも良いのですね!

石田「過去問というものは同じ問題が試験に出ることは二度とありません。しかし、入試問題というものはその学校の文化に合わせて作っているものなので、傾向やパターンが変化することはそうそうないですね。

解答を見ながら『なぜこれが答えなのか』、もし自分が思い浮かべている解答と違ったのであれば『なぜ自分が思い浮かべたものは答えではないのか』をしっかりと把握しながら過去問研究をすると良いと思います。

麻布と開成はともに東大合格者を数多く輩出している難関校ですが、やはり入試の出題傾向は異なります。

麻布に合格した子どもたちに『なぜ志望校を開成にしなかったのか?』という質問をすると、ほとんどの子が『自分が得意なのは開成が出すようなタイプの問題ではない、開成を受けていたら落ちていたと思う』と話しますね。

このように、志望校に合格する子は自分のタイプと志望校の傾向を過去問でしっかりとすり合わせることができているのです」

——過去問の点数に悩む子には、「そもそも点数が重要なことではない」ということを伝えてあげれば良いのですね。

石田「そうですね。もちろん、親自身も過去問の点数に一喜一憂することなく、あくまで研究をすることに重点を置いた考え方のもと、子どもの過去問に向き合うことが大切です。

もし親も子どもも、どのように過去問を研究したら良いのかわからないという場合は、塾に聞いてみるのが一番です。意外にそういったことを塾に聞きにいかない家庭が多いのですよね。

過去問を十分に研究せず、ただただ点数に一喜一憂することは、中学受験においては一種の“戦略ミス”になります。

中学受験において、戦略のミスは不合格につながってしまうこともあると心得て、まずは過去問に対する意識を変えていきましょう」