「中学受験をやめたい」と言われた時に考えたいこと

——3つ目の『中学受験への意欲がなくなる』というものに関しては、親は一番衝撃を受けてしまう変化だと思いますが、この場合、親はどう対処すべきでしょうか?

石田「この場合は、現状子どもに大きな負荷がかかってしまっている可能性があります。

通っている塾が合っていないというパターンもありますが、まずは親が子どもに対して負荷をかけすぎてしまっていないかを自分自身で顧みてみましょう」

——子どもに負荷をかけてしまっているかどうかはどのように見極めれば良いのでしょうか?

石田「中学受験はやはり親の影響が大きく、親と子どもの二人三脚でなければなかなか乗り切れるものではありません。私は中学受験においては、親は子どものマネージャーであるべきだと考えています。

子どものスケジュール管理や、負荷がかかりすぎていないかなどメンタル面でのケアを行うのがマネージャーです。

しかし、親がこのマネージャーの役割を超えてしまい、教師や上司のような立ち位置で子どもに対して強制する姿勢が出てしまうと子どもに対して多大な負荷をかけてしまうことになりかねません」

——自分がマネージャーとしていてあげられていない場合、その部分で親の意識改革も必要になりますね。

石田「そうですね。ただ、これは中学受験をするにしても、子どもが『どうしても中学受験はもうやめたい』と打ち明けてきた場合でも、どちらにしても『自分が子どもにとっての安全地帯になれているかどうか』を考えてみてください。

たとえ中学受験を中断しなくても、志望校に落ちてしまった場合は想定していたルートとは違うルートを歩むことになります。こういった時に親が『挫折した』と捉えるのではなく、『ただ最終地点に向かう道が変更になっただけ』という考え方をしておきたいですね。

この考えをしっかり持っていれば、子どもが中学受験をやめても志望校に落ちても、これまで学んできたことが無駄になったとは思わないはずです。事実、子どもの頃に学習した内容というのは、全てその後の人生に利用できる知識として残り続けます」

石田さんは「親が不安を持って考えや方針をブラしていては、子どもが安心できる環境は与えられない」と言います。そしてこの安心こそが、中学受験を乗り切るためにもっとも大切なことなのだそう。

石田勝紀さんの「Mama Cafeラジオ」や著書には、親が持っておきたい心構えが存分に詰まっています。

中学受験、子どもの思春期など、親子が壁にぶつかりそうになった時にたくさんのヒントを与えてくれるはずです。

ライター&エディター。マーケティング、広告関係の職種を経て、出産をきっかけにライターに。現在は女性向けや子育て関連等のwebメディアでライター、エディターとして活動し、2歳児のマイペースな息子にのんびり育児を実践中。猫と焼肉とビールをこよなく愛するテンプレート小市民。