4.ひどい手荒れには漢方薬も取り入れて
繰り返す手荒れには漢方薬もおすすめです。漢方薬のなかには「手荒れ」に効果があるものもあり、皮膚科で処方されています。
手荒れの原因としては、皮膚の乾燥や血行不良、ホルモンバランスの乱れなどが考えられます。
手荒れの予防や改善には、「水分の循環をよくして肌に潤いを与える」「血行をよくして肌に栄養を届け、肌の代謝をよくする」「ホルモンバランスを整えて肌荒れを軽減する」といった原因にアプローチできる漢方薬を選びます。
また、手荒れのかゆみには「肌の乾燥で生じるかゆみや炎症を改善する」などの働きをもつ漢方薬で症状を軽減してきます。
漢方薬は根本からの改善を得意としているので、手荒れが起きにくい体質を手に入れることができます。また、皮膚全体の水分バランスや血行が良くなることで、潤いやハリのある肌を手に入れることもできます。
手荒れにお悩みの方におすすめの漢方薬
温経湯(うんけいとう)
体力にあまり関係なく用いられ、とくに女性に多く使われます。
皮膚の栄養となる血(けつ)を増やすことで皮膚の乾燥や湿疹、手荒れなどに効果があります。
桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)
体力が中程度以上の方に向いています。
薏苡仁はハトムギからできた生薬で、肌荒れに効果があります。さらに桂枝茯苓丸の処方が加わることで、皮膚を養う血の巡りを良くし、手足の荒れに効果があります。
このように、漢方薬を選ぶ際は、体力や年齢なども考慮されます。
漢方薬を選ぶときに重要なのは、その人の状態や体質に合っているか、ということです。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。
どの漢方薬が自分に合うのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめです。「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。
漢方に詳しい薬剤師が一人ひとりに効く漢方薬を見極めて、お手頃価格で自宅まで郵送してくれますよ。
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手荒れは冬の乾燥の季節だけ起こるものではなく、夏場の汗などによっても起こります。
そのため、一年を通してケアが必要です。また、手荒れが起こりやすい職業の美容師や調理師、医療従事者などは常に意識してケアすることが予防につながります。
こまめにハンドクリームなどでケアをする、乾燥を避ける、水仕事をする際は手袋を使うなど、日頃からハンドケアを心がけましょう。
感染症対策で、いたる所にアルコール消毒液がありますが、過度な消毒や石けんでの手洗いは皮膚のバリア機能を悪化させてしまうということも覚えておいてください。
<この記事を書いた人>
あんしん漢方薬剤師
相田 彩(あいだ あや)
昭和薬科大学薬学科卒業。総合リハビリテーション病院・精神科専門病院・調剤薬局の現場で漢方薬が使用される症例を多く経験。
医薬品での治療だけではなく、体質や症状に適した漢方薬を活用し根本改善を目指すことの重要性を実感する。
現在は、症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でサポートを行っている。