わからない女心

業務の関係でどうしても毎日顔を合わせる女性に、Aさんは「失礼にならないように気をつけながら」言葉をかけていたといいます。

みずからの告白を「気にしないでくださいね」と口にした以上、女性のほうは仕事上の付き合いだけで自分と関わるつもりだろうと思い、積極的にコミュニケーションを取るのは控えたほうがいいと思ったからです。

予想通り、女性は今までと変わらない態度で接してくれてほっとしましたが、ある日の夕方のこと。

残業が決まったAさんの元にやってきた女性は、缶コーヒーを差し出しながら「早く終わるといいですね」と声をかけたそうです。

今までそんなことはなく驚いたAさんは、「好かれている自分」を実感します。

それからも、デスクに残っていると差し入れをしてくれたり、普段の業務でもさりげなくAさんの手助けを言い出したり、女性の言動は明らかに告白する前とは違っていました。

「気にしないでと言うから何もないのだろうと思っていたのに、僕に関わろうとするのを見るとどうしても戸惑って。

同僚からも『最近よく話しかけられてない?』と言われて、気のせいじゃないと思うしありがたいけどどう応えればいいかがわかりません」

女性がどんなつもりで自分に声をかけるのか、Aさんは対応に困りました。