「受け取るだけ」のプレッシャー

後輩女性の一方通行な行動は続き、「迷惑ではないけれどこちらは好意を受け取るだけ」の状態に、Aさんは少しずつ疲れを覚えるようになります。

「甘いものが好きって言うから外回りの帰りにコンビニでお菓子を買って渡したら、『無理しないでくださいね』って言われて。

僕はいつもコーヒーをくれるお礼って言いながら渡したのに、そのまま受け取ってはくれないのですよね」

こんなすれ違いがあると、「もうやめよう」と思う反面「でも何も返さないのは申し訳ない」と考えるのも止められず、接し方に悩みます。

LINEもNOならささやなかプレゼントもダメで、思うようにコミュニケーションが取れないことが、Aさんにはプレッシャーでした。

「好きでいられたらそれでいいのはこの子の都合でしかない」。段々とそう思うようになってきたAさんは、あるとき勇気を出して差し入れを断ります。

「僕の残業が続いていて心配してくれるのはありがたいと思うけれど、ただ受け取るだけだから彼女の好意を利用している気持ちになるのですよね。

お礼をしたくてもどうせ無理しないでと言われると思うと、もう最初からもらわないのがいいのかもと思って」

と、Aさん自身の事情を前に出してのことでしたが、初めてNOを言われた女性はショックを受けたのか、それからAさんを避けるようになります。