五條真由美 with フラッピ&チョッピーズ『ガンバランスdeダンス』(『ふたりはプリキュア Splash Star』ED)

こちらも五條真由美さんによるプリキュアソングの一つ。『DANZEN! ふたりはプリキュア』と同じく、作曲を小杉保夫さんが担当しており、初期シリーズの主題歌や劇中歌に一貫して流れていた明るく、楽しく、リズミカルな音世界を強く感じることができます。

とてもリズミカルかつダンサンブルな楽曲で、エンディングアニメーションでは各キャラクターがダンスを披露。現在まで続く、「エンディング・ダンス」の元祖とも言える曲で、こちらもファンにとっては決して忘れられないナンバーです。

また、本曲は、初出の『ふたりはプリキュア Splash Star』に続いて、『Yes! プリキュア5』と、その続編の『Yes! プリキュア5GoGo!』の計3作品で、主題歌として使用される超ロングヒットに。

各バージョン毎に歌い手の顔ぶれやメロディのアレンジに変化が加えられており、それらを聴き比べるのもファンにとっては楽しみの一つとなっていました。

林桃子『H@ppy Together!!!』(『フレッシュプリキュア!』ED)

スラリと頭身の長いキャラクターデザインや、所謂"光落ち"を経てプリキュアへと転身する新しいタイプのキャラクターの登場、そして、劇場映画『プリキュアオールスターズ』でのクロスオーヴァー路線の拡張……などなど、そのタイトルに違わぬ「フレッシュ」な新要素を数多く盛り込むことで、シリーズの作品性を大きく広げたのが、『フレッシュプリキュア!』です。

同作における画期的な新基軸の中でも、ファンの目を引いたのがエンディング曲での3DCGによるキャラクターモデルを用いたダンスアニメーション。振付けを同作にレギュラー声優としても出演していた故・前田健さんが担当したことでも話題となりました。

本作のダンスシーンが好評を得たことで、後続のシリーズにおけるエンディングでもCGキャラクターによるアニメーションは継続され、プリキュアの新しい"伝統"として、こちらも後の路線に大きな影響を与えました。

楽曲も、これまでのシリーズよりも視聴者層の対象を上げた作品ということで、大人びた曲調になっており、リズミカルでパワフルなメロディが特徴だった従来のエンディング曲に比べると落ち着いてオシャレな雰囲気に。

特に後期のエンディング曲『H@ppy Together!!!』は、ブラック・ミュージックを思わせるアーバンなメロディとホーンの音が多幸感を盛り上げてくれる名曲。近年のポップで明るいエンディング曲の数々も素敵ですが、また、こういった路線の楽曲も聴いてみたくなります。

池田彩『Alright! ハートキャッチプリキュア!』(『ハートキャッチプリキュア!』OP)

プリキュアシリーズの主題歌において、作曲面での重要な役割を担ったキーパーソンの一人が、特撮、アニソンシンガーとしても高名な高取ヒデアキさんです。

主人公の成長譚やヒューマンドラマ的な色合いを全面に押し出し、その重厚な作劇から「名作」の呼声も高い『ハートキャッチプリキュア!』の『Alright! ハートキャッチプリキュア!』は、そんな高取さんの代表曲の一つ。

自身のヴォーカルによる特撮ヒーロー作品やアニメ作品の主題歌でもお馴染みの「作曲・高取ヒデアキ、編曲・籠島裕昌」という黄金コンビによる楽曲で、ふんだんに用いられたホーンセクションの装飾音が曲全体を華やかに盛り上げます。

可愛らしく、ポップでありながら、高らかなホーンサウンドやハードロック調のギターソロなど、ところどころにコンポーザーの"らしさ"が感じられる1曲。

優しさに溢れた池田彩さんの歌声も耳に心地よく、その作品性同様に、本曲もシリーズのファンから長く愛される名曲です。