礒部花凜『Miracle Go! プリンセスプリキュア』(『Go! プリンセスプリキュア』OP)

「プリンセス」をメインモチーフとし、「夢」をテーマに、ドラマ性の高いストーリーでファンの心を震わせた名作『Go! プリンセスプリキュア』からは、オープニング主題歌の『Miracle Go! プリンセスプリキュア』をベストに。

軽快なメロディと小気味良いビートが曲を引っ張るテンポの良いナンバーですが、ただ単に"ポップ"なだけで終始することなく、より楽曲を印象深いものにする為の一工夫が。何と、曲の途中で、リズムがワルツの三拍子に変化するのです。

急激なリズムチェンジは、その後に訪れるサビパートの歌声をより活き活きと飛翔させるだけでなく、「プリンセス」というモチーフを持つ作品に相応しく、優雅でエレガントなイメージを楽曲に付与しています。

ミュージカル作品への出演経験もある礒部花凜さんの広い音域を活かした歌声もビューティフルで、高温域での歌唱部分は、特に気持ちが良い。サウンドも歌も、メリハリがクッキリした構成が特徴であり、この曲の最大のチャームポインとなっています。

プリキュアの主題歌は、様々な音楽ジャンルを持ち込んだり、この曲の様にリズムやメロディに一工夫を加えたり……と、様々な"仕掛け"で、各作品毎にファンを楽しませてくれますが、そうした魅力を強く感じられる1曲だと思います。

北川理恵『Dokkin◇魔法つかいプリキュア!』(『魔法つかいプリキュア!』OP)

シリーズ通算13作目の作品として2016年に放映を開始した『魔法つかいプリキュア!』。「人間界」と「魔法界」という2つの世界を舞台とし、それぞれの世界に暮らす少女がプリキュアに変身する"異世界交流モノ"としての色合いを色濃く打ち出したファンタジックな世界観が特徴の作品。

異なる世界を行き来しながら進行するシナリオに、中盤での敵組織の中途退場と新たな巨悪の登場を挟んだ2部構成によるストーリー展開など、スケールの大きな物語が展開されました。

主題歌に参加したクリエイター陣も非常に豪華なラインナップで、オープニング曲の作詞には、何とあの森雪之丞さんが参加! 森さんの作詞曲らしい楽しさと斬新さが入り交じる歌詞世界は、作品をより一層豊潤なものに。

歌唱を担当した北川理恵さんは、シンガーとしても活躍するミュージカル俳優で、その豊かな声量は、本曲のリリックやメロディとも相性ピッタリ。この曲もまたファンから愛され続ける1曲です。

キュアエール(引坂理絵)、キュアアンジュ(本泉莉奈)、キュアエトワール(小倉唯)『HUGっと! 未来☆ドリーマー』(『HUGっと! プリキュア』ED)

ラストの10曲目は、シリーズ最新作からエンディングのこの曲を。主役のプリキュアを演じる声優陣によるキャラクター名義での楽曲で、これまでのシリーズのエンディング曲に比べると、パンキッシュでテンポの早いメロディが大きな特徴となっています。

作・編曲は、クリエイターチームの「(K)NoW_NAME」でも活躍する睦月周平さんで、深夜アニメの音楽や声優への曲提供を中心に、素晴らしい仕事を次々に世に送り出している凄腕の音楽家にプリキュアの曲を依頼する人選の確かさが素晴らしい。

各声優さんの美声は勿論、ユニットアイドル的な譜割りも楽しく、近年、益々の大充実と深化を遂げているアニソン、声ソンのムーブメントにも合致した1曲だと思います。

「未来」を物語の軸に据えたプリキュアらしく、様々な職業がリズム良く飛び出す歌詞もポジティヴで、生きることを全力で肯定してくれるようなエネルギーに満ちており、聴いているだけで元気いっぱいに。

作品そのものへの期待値もグングン高めてくれるポップでロックな1曲です!

都内在住の極々平凡なサラリーマン兼、アニメ、音楽、プロレス、映画…と好きなものをフリーダムに、かつ必要以上に熱っぽく語るBLOG「さよならストレンジャー・ザン・パラダイス」管理人。永遠の"俺の嫁"である「にゃんこい!」の住吉加奈子さんと共に、今日も楽しいこと、熱くなれることを求めて西へ東へ。