徐々に付き合いが苦痛に…
「違和感が強くなっていったのは、おうちデートで映画を選ぶとき、自分が観たい作品を『これでいい?』と私に確認はするけれど私の観たい洋画は『また今度』とスルーされるのも多く、彼の好みに合わせるのが増えたこと。
それでも、『確かに観ないままじゃもったいない』と最初は彼の選ぶ作品を一緒に観ていましたが、アクションやサスペンスなどはまだ大丈夫だけど昔から苦手なホラーは邦画もやっぱり無理で、『それ以外にして』とお願いしていましたね。
洋画でもいいときは、『あまり興味がないからこそ退屈しないものを』と彼に作品を選んでもらいました。
洋画でも特に文句は言わないしふたりで楽しめるのでそれはいいけれど、彼と映画の話をすると内容がどんどん邦画寄りになっていき、『やっぱり本当は邦画にしか関心がないのだな』と感じました。
私が好きな俳優や監督の話題は出しづらくなり、彼がいないときに洋画を楽しんでいましたが、感想を話しても『ふーん』『そういう話だったのか』とたいして関心も見せず『それよりこれが観たい』とすぐ自分のしたい話を始める彼に、淋しさを感じるようになって。
自分に合わせる私を当たり前にしていて、観た作品について『どう?』『この人の演技、すごくない?』としつこく感想をねだられるのがだんだんと苦痛になっていきました。
同じ『映画好き』として付き合わねば、と思えば無理をして興味のない邦画でも観るし感想も考えるけれど、そのうちおうちデートを避ける自分がいました。
お付き合いが始まってからは以前ほど映画館に足を向けることがなくなり、私の好きな俳優が出る最新作を観に行こうと誘っても『配信まで待てば?』と断られ、彼とデートの約束をしなかった休日にひとりでいつもの映画館に向かいながら、このまま交際を続けてもいいのかと自問するようになって。
彼の好みを優先してきた結果、お付き合いそのものが楽しくなくなっていました」