彼から出たありえない言葉

「別れを決めたのは、久しぶりのおうちデートで『今日は映画は観なくてもいいかな』と思い切って言ったら喧嘩になったのがきっかけです。

『どうして? 俺は観たいものがあるのだけど』と不機嫌そうな声で言われ、ああやっぱり私の好みは聞かないのだな、と思うと悲しくなり、『それなら自分の部屋で観たら』と返したら『そんな言い方をするのか』と彼が怒って。

『私はやっと配信が始まった○○が観たいの。お互い好みが違うのだし、別々に過ごしてもいいと思うけれど』と作品を挙げたら、『そんなつまらない映画はどうでもいい』と返され、文字通り堪忍袋の緒が切れました。

『今までずっとあなたの好みに付き合ってきたの、気づいている? 同じ映画好きだからと思って尊重してきたつもりだけど、その言葉だけは許せない。あなたにつまらない映画とか言われたくない!』と叫ぶと、私の剣幕に引いたように彼は顔を真っ赤にして黙りました。

同じ映画好きだからこそ私の好みを馬鹿にする彼氏には拒絶感ばかり湧いてきて、もう愛情は感じませんでした。

『もういい』と吐き捨てるように言って彼は部屋を出て、次の日にLINEで『もう別れよう』と送ったら『わかった』とだけ返ってきたのでそのまま連絡先をブロックし、今も彼とは音信不通です。

映画鑑賞が趣味という共通点があって、そこも込みで好きになった人だけれど、『こんなはずじゃなかったのに』と今も悔しく思います。

好みが別だとこうもすれ違うのか、お互いもっと歩み寄れるところはなかったのか、後悔が残っています」(女性/28歳/接客業)