汗による皮膚トラブルは漢方薬でもケアできる

夏の汗による皮膚トラブルの予防には、皮膚の清潔保持や保湿、汗をすぐに拭き取ることなどが重要です。

それらの対策に加えて、根本改善にアプローチする漢方薬の活用もおすすめです。

汗疹や接触性皮膚炎の原因には、アトピー性皮膚炎や敏感肌などの遺伝的な要因だけではなく、高温や多湿などの環境要因、肌のバリア機能の低下などが挙げられます。

汗による皮膚トラブルの対策には、次のような作用をもつ漢方薬を選びます。

・皮膚の炎症を鎮め、赤みやかゆみを和らげる
・肌の新陳代謝をよくする
・体内の水分代謝の乱れを整えて、老廃物を排出し、あせもの原因となる多汗を改善する

これらの漢方薬でからだの内側からケアすることで、夏でも汗疹や接触性皮膚炎が生じにくい体質を目指すことができるでしょう。

以下では、皮膚トラブル予防におすすめの漢方薬を2種類紹介します。

汗による皮膚トラブル予防におすすめの漢方薬

消風散(しょうふうさん)

分泌物が多くかゆみが強い慢性の皮膚疾患に用いられます。あせも、水虫、湿疹やかゆみなどに処方されます。

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)

分泌物が少ないかゆみに用いられます。化膿しているおできや皮膚炎、じんましん、湿疹などの改善に使われます。

漢方薬を選ぶときに重要なのは、その人の状態や体質に合っているか、ということです。合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用があらわれることもあります。

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日々の生活のなかで、皮膚を清潔に保つこと、適度な湿度と通気性を確保すること、適切な洗浄方法を選ぶことなど、小さな注意が大きな違いを生むことを覚えておきましょう。また、早期の皮膚科受診も症状の悪化を防ぎます。

皮膚の健康を保つためのアクションを、今日から始めてみましょう。

<この記事を書いた人>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)

薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。

世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

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