それだけに留まらず、滞在型イベント『∞祭(はっさい)』は約20万人を動員。限定ライブパフォーマンスにくわえ、メンバーの私物展示などファン発狂寸前のイベントを開催し、事実発狂するエイターが続出した。
また「エイトの日」である8月8日に京セラドーム大阪で行った無料イベント『すごはち』では、ファンが選んだ曲ベスト5を熱唱するなど、こちらも涙腺崩壊の大盛況で幕をおろした。
デビュー当時からライブであたためてきた曲『Cool magic city』『大阪ロマネスク』『旅人』『torn』などを詰め込んだセットリスト、メンバーのバックにデビュー当時のなつかし映像を映し出した珠玉の演出は、エイターにとって「福袋」と「お年玉」の合わせ技のようなプレゼントとなったことだろう。
この2012年ライブの様子はDVD『KANJANI ∞LIVE TOUR!! 8EST〜みんなの想いはどうなんだい?僕らの想いは無限大!!〜』に収録されている。
まるで「ライブバンド」?!――草の根で育まれたライブパフォーマンスが凄い
このように、「エイターへの感謝」を伝えるべく、ありとあらゆるサプライズをおこなったことが公演回数60回を記録する結果につながったようだ。
もちろん、これだけ多くの公演をこなすためにはそれに見合う動員数、つまりたびたび足を運ぶファンの存在が不可欠だ。歌・ダンス・バンド・笑い・作詞作曲をこなすパフォーマーとして、彼らが成長したことは間違いない。
『LIFE』(2010年)『マイホーム』(2011年)『愛でした。』(2012年)などの立て続けにバンドスタイルのシングル曲をリリースし、テレビでも積極的にバンド姿をみせるようになったことで、エイトの新たなイメージも定着しつつある。
そんな彼らのパフォーマンスには、いわゆる「ライブバンド」のような側面が大きい。CDではなく生のライブこそ本領発揮する「ライブバンド」という言葉だが、彼らにとってそれは歌とダンスだけに留まらない。
趣向を凝らした演出や演奏、MCにコントなど、その日にしか見られない「一回性」が特徴だ。
たとえば、「まるちゃん」の愛称で親しまれるメンバー、丸山隆平のオハコである「一発ギャグ」。ときには会場全体が凍り付くほど「スベリ」、またときには5万人を爆笑させるのはジャニーズの域を超えた職人芸だ。ライブごとに新作が披露され、足を運んだ日によって色々なギャグをみることができるのも面白い。
またつんく♂に「声量がすごいね」「しかし、すばる、歌うまいね」と唸らせたメインボーカル、渋谷すばるの生歌も圧巻だ。圧倒的な歌唱力はもちろんのこと、エイターを喰らいそうな猛獣の表情でR指定の色気を醸し出す。そうかと思えば、「ちっさいおっさん」とツッコまれる関西のおっさんの表情を見せたりと百面相だ。