子供のときにいい習慣を身に付けさせてもらった

撮影/コザイリサ

――青森で撮影をされていたそうですが、どんな印象が残っていますか。

東京から飛行機で青森に行って、降り立ったときの空気のキレイさは圧倒的でした。空も広いし、夕日もキレイで、何と言っても食べ物もお酒も全部美味しい(笑)。

通い詰めたお蕎麦屋さんがあったんですけど、そこの海老天の味が忘れられないです。あとは薫さんと居酒屋で一緒に食べたハタハタも本当に美味しくて感動しました。

――小林さんと一緒にご飯に行く時間などもあったのですね。

たまたま行ったお店に薫さんが先に来ていらっしゃったので、一緒にカウンターに座って食事をさせてもらいました。気付いたら薫さんは酔っぱらっていて、先に帰られていましたけど(笑)。

僕は、ちょうど次の日に青森を車で周ってみようと思っていたので、白樺の林とか、お勧めの場所をいろいろと教えていただけたのも良かったです。

©2023「バカ塗りの娘」製作委員会

――本作は「津軽塗」の素晴らしさを伝える側面もありますが、今回、津軽塗や伝統工芸に実際に触れてみた感想を教えてもらえますか。

実は、うちの母が漆塗りの器を収集していたので、実家に結構いっぱいあったんです。お正月になるとそれを引っ張り出してきて、おせち料理とかを食べる習慣がありました。

毎回、母から「私にとって大切なものだから、食べ終わったら放置しないですぐに洗って」と言われて。スポンジじゃなくて、布みたいのでしか洗っちゃダメで、洗い終わったらすぐに水をふき取ることを徹底されられました(笑)。

それを子供たちみんなでやるっていうのが我が家の文化としてあったので、津軽塗の名前は聞いたことがありました。

今回、そうやって自分が小さい頃から使ってきた器がどう作られているのかを、この映画を通して知れたのはいい機会でした。なぜ母があんなにこだわって大切にしていたのかわかった気がしました。

――そういうものに子供の頃から触れられるっていいですね。

当時は当たり前と思っていましたけど、社会に出て一人暮らしを始めてみると、そんなものを使う余裕はないし、「あれは特別だったのか」と。子供のときにいい習慣を身に付けさせてもらったと感じます。