漫画では感じられないリアルさが加わった

――原作者の方からすると、アニメ化というのは、「自分の作品がリアルに動いて現実になっている」という感覚なのか、または「違う形で生まれ変わった」など、どのように感じるものなのでしょうか?

清水:空間や音、動きが付くというのは、自分の作品がより一次元リアルになった感覚はありました。

アニメ担当氏:今回お願いしたアニメ制作会社のZEXCSさんは、『舟を編む』や『少年ハリウッド -HOLLY STAGE FOR 50-』でも、きっちりリアリティのある動きを追求して作ってくださるスタジオさんなので、余計にリアルに感じるのかもしれませんね。

©清水ユウ・新潮社/鹿楓堂よついろ日和製作委員会

清水:空気感とか、漫画では感じられない環境音などによって、リアルさが加わっていると思います。最初にスタッフさんと打ち合わせをしたときに、音響監督さんから「BGMってどういった曲が流れているんですかね?」と聞かれて。漫画では音は流れないので、BGMについて考えたことがなかったんですね。

「あ、アニメって音があるんだ」って思った時にとても新鮮に感じて、自分の中で驚きがありました。音があるからこそ表現できる幅も広がりますし、店内の雰囲気や匂いまでわかるような表現がアニメでは活きてくるんだろうなと思いました。音という感覚は自分の中では衝撃でしたね。BGMがついて雰囲気がどう仕上がるのか、そこも楽しみです。

――BGMのイメージなど、制作サイドからのご提案はありましたか?

清水:サウンドトラックはいただきました。どれもゆったりしていて作品にぴったりだったので、今はそれを聴きながら漫画の作画をしています。それくらい素敵な音楽で、アニメの中に流れて完成したら、マッチして良い感じになるんじゃないかと思っています。

アニメ担当氏:音楽を担当されている渡辺剛さんは、音響監督の佐藤さんとこれまでも何作品か一緒に組んでいる方です。佐藤さんがたまたま「今度『鹿楓堂よついろ日和』という作品をやるんだよ」とお話されたところ、原作を読んでくださったようで、デモ曲が2曲上がってきたんです。

「作品が凄く良くて、思わず作ってしまった」と伺ったのですが、それが素晴らしい出来で、皆で聞いて「もうこれ以上は無いんじゃないか」ということで、渡辺さんにお願いしようということになりました。渡辺さんご自身も「是非やりたい」とおっしゃってくださったので、強い思い入れを持って下さっているのだなと感じました。

この作品はスタッフの方も、とても思い入れを込めて関わって下さっている方が多いと感じます。音響効果の今野康之さんは、以前自分が担当した『 GATE(ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり 』などでも、拘りぬいたSEをつけて下さいましたし、細田守監督作品などにも関わっているベテラン中のベテランなので、間違いないと思います。

――本当にスタッフさんはベテランの方が多く、すごいなと思いました。

アニメ担当:そうですね、美術監督の小倉宏昌さんは、1995年の劇場版『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』をやった人ですから。

©清水ユウ・新潮社/鹿楓堂よついろ日和製作委員会

清水:本当に恐れ多いばかりで。神谷監督はまたふんわりとした感じの方なんですけど、初めてお会いした時に、お手製の“よついろ日和うちわ”を持って「あ~!ようこそ~!!」って迎えてくださって、初対面から「本当にこの作品のことを愛してくださっているんだな」という印象で。それでお任せして大丈夫だな、という安心感があったんです。

アニメ担当:先生との顔合わせでZEXCSさんに行った際なんですが「ようこそ清水先生」みたいな垂れ幕が下がっていて、あんな現場は初めて見ました(笑)。神谷監督は相当作品を気に入ってらっしゃるんだなあと思いました。

清水:楽しんで作ってくださったらいいな、と思っていたので、それはすごく嬉しかったですね。

――アフレコ現場含め、アニメの制作現場は、漫画家さんの目にはどのように映るんでしょう?

清水:私は作品をほぼひとりで描いているので、基本的に担当編集さんとしかやりとりしないし、孤独なんです。アニメって本当に思っていた以上にたくさんの方が関わっているんだなと感じました。スタッフさんもみなさんそれぞれがこの作品のことをすごく考えてくれているんだなと。嬉しかったし、感動しました。

――では、最後に観てくださるみなさんにメッセージをお願いします!

清水:このアニメを観て、みなさんが癒やされたり、幸せな気持ちになってほしいです。そして、漫画もあわせて楽しんでいただけたら嬉しいです。アニメも漫画も、観てくださった方に日常の嫌なことや、辛いことを忘れてほっと癒やされる“癒やしのひととき”を与えられる存在になっていったらいいなと思います。

――毎週観て癒やされたいと思います、ありがとうございました!


着流しの職人っぽい店員さんが、コーヒーやお茶、和菓子など、それぞれの特技を活かしてプロフェッショナルに提供する――そんな喫茶店があったらカッコイイのでは?と考えて誕生したという『鹿楓堂よついろ日和』。みなさんもアニメや原作で、着流しのイケメン店員さんと美味しそうなお料理に癒やされましょう!

©清水ユウ・新潮社/鹿楓堂よついろ日和製作委員会

<TVアニメ「鹿楓堂よついろ日和」情報>

AT-X、TOKYO MX、KBS 京都にて放送

●AT-X 毎週(火) 24:30~[リピート放送]毎週(木)16:30~/毎週(日)6:00~/毎週(月)8:30~
●TOKYO MX 4月11日より 毎週(水) 22:00~
●KBS 京都 4月11日より 毎週(水) 23:00~
※放送日時は予告無く変更になる場合がございます。

配信情報 GYAO!にて先行配信予定!

最新情報は、公式HP、公式公式Twitterで更新中

©清水ユウ・新潮社/鹿楓堂よついろ日和製作委員会