血圧が上がることによるリスク

冬にとくに注意が必要な、血圧上昇によるリスクは以下の2つです。

1.ヒートショック

ヒートショックとは、急激な温度変化により短時間で血圧が何回も変動し、からだに大きな負担がかかることです。重症の場合、心筋梗塞や脳卒中などを引き起こし、命に関わることがあります。

暖房の効いた部屋から寒い脱衣所や浴室に移動し、湯船に浸かって急にからだが温まるとヒートショックが起きてしまうことが多いです。

2.脳卒中・脳梗塞

高血圧の方は、夏と冬で10〜30mmHgほど血圧差があるといわれているため、冬は脳卒中や脳梗塞のリスクが高まってしまう季節です。

また、起床時は血圧が高くなりますが、冬は室温が低いことで、より急激に血圧が上がりやすくなります。

高血圧対策のセルフケア3選

高血圧は自覚症状がほとんどなく気づきにくいため、定期的な血圧測定が大切です。

血圧が高めだった方は、これから紹介するセルフケアを実践してみましょう。

1.塩分の摂り過ぎに気をつけて、食事は薄味に

日本高血圧学会は、高血圧の方の1日の食塩摂取量の目標値を6g未満にすることを強く推奨しています。

以下は、減塩方法の一例です。

・減塩調味料を利用する
・ラーメンや鍋のスープを飲まない
・食卓で料理に調味料を足さない
・味噌汁の具を増やす
・味付けは薄味を心がける
・香辛料や香味野菜を使う
・加工食品を控える

自分が取り入れやすいものから始め、目標値を目指しましょう。

2.十分な休息と睡眠を取る

ストレスがたまりやすい多忙な生活は、交感神経を優位にし血管を収縮させるため、血圧上昇の原因に。逆に、リラックスしているときは、副交感神経が優位になり、血管が拡張して血圧が下がります。

十分な休息と睡眠で交感神経と副交感神経のバランスを整え、血圧の正常化に働きかけましょう。

3.朝に寝室を、夜に浴室を温める

前述の通り、冬の気温の低下は血圧の急上昇やヒートショックを引き起こしやすくします。

朝は起床前に寝室を温め、夜の入浴前には脱衣所と浴室を温めましょう。

高血圧対策には漢方もおすすめ

高血圧対策には、漢方薬を服用するのもおすすめです。漢方薬は「高血圧症」の症状に効果が認められており、内科などで処方されています。

高血圧の原因は、生活習慣のほかにも、加齢や血行不良、ストレスによる自律神経の乱れにあると考えられています。

そのため、高血圧に対しては、「血圧降下作用」で血圧を下げる働きの他に、
・加齢によるホルモンバランスの乱れを整える
・血流をよくして全身に酸素や栄養を行き渡らせる
・ストレスで乱れた自律神経を整える
・睡眠の質を上げてストレスを改善する
などの働きを持つ漢方薬を、体質に合わせて選びます。

漢方薬は根本的な体質改善を得意としているので、血圧の数値を下げるだけでなく、高血圧に伴う随伴症状の改善を目指せるのがメリットです。

冬の高血圧におすすめの漢方薬

七物降下湯(しちもつこうかとう)

「血(けつ)」(栄養)を補って血液循環をよくし、のぼせや肩こりといった高血圧の随伴症状を和らげます。

大柴胡湯(だいさいことう)

「気(き)」(エネルギー)の巡りをよくしてからだにこもった熱を冷ますことで、高血圧に伴う肩こりや頭痛、便秘などの症状を和らげます。

漢方薬を選ぶときは、自分の症状や体質に適したものを選ぶことが重要です。自分に合わない漢方薬を使っても効果を実感しにくく、場合によっては副作用が出ることもあるので注意しましょう。

適した漢方薬を見極めるのは難しいため、漢方薬に精通した医師や薬剤師に相談するのが安心です。

スマホで気軽に専門家に相談できる「あんしん漢方」のような、オンライン個別相談も話題です。あんしん漢方はAI(人工知能)を活用し、漢方のプロが効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれるオンライン漢方サービス。

スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談できますよ。お手頃価格で不調を改善したい方は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。

冬は、高血圧のリスクが高まる季節です。塩分を控えたり血圧の急激な変動を防いだりして、高血圧による脳卒中や脳梗塞を防ぎましょう。

また、高血圧対策には、専門家に相談して漢方薬を活用するのもおすすめです。

生活習慣の改善や漢方薬で、冬も健康に過ごしてくださいね!

参考

高血圧の話
冬は血圧が上がります。 - しもやま内科
油断大敵!冬場の血圧変動に注意しよう!【栄養だより2020年1月号】 | 日本調剤(お客さま向け情報)
気をつけよう!冬の高血圧。冬は血圧が上がりやすい傾向に | せいてつLab | 社会医療法人 製鉄記念八幡病院
高血圧 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

<この記事を書いた人>

あんしん漢方 ライター
円山 真由佳(えんやま まゆか)

医薬品登録販売者。ドラッグストアでの医薬品・化粧品販売を経て、市販薬の使い分け方を広めるべく執筆・情報発信を行う。美容薬学・アロマテラピーの資格を保持し、インナーケアや女性の不調ケアにも精通している。

表面的な悩みの奥にある潜在的な悩みをくみとり、対症療法ではなく根本改善を目的としたアドバイスを得意とする。

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。

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