「長男は保育園の頃からサッカークラブに通っており、それを見ていた3つ下の次男が『僕も何かしたい』と言い出しました。

長男と違いのんびり屋でスポーツも特に好きといった感じではないのですが、『何事も経験が大事』が口癖の夫と話し合い、同い年くらいの子どもたちが通っているダンススクールに申し込みました。

ダンスを選んだのは、次男が小さい頃からテレビを見て楽しそうに踊ることが多かったからで、体を動かす点で合っているかなと思ったから。

体験教室で目をきらきらさせながらレッスンを見ていた次男は、入ることが決まってうれしそうに通っていましたね。

最初は初心者コースというか、いきなり踊るのではなく体をテンポよく動かすことに慣れさせる内容で、次男は必死についていくのですが、周りの子ができて自分ができないとわかると途端に落ち込みます。

先生の明るい声掛けに救われてふたたび挑戦するものの、やはり複雑なステップなどは何回も間違えて、帰りの車内で泣き出すこともありました。

『その調子でいいんだよ』『大丈夫だよ』と私と夫で声をかけるのですが、初めてほかの子と自分の差を目の当たりにした次男には、できないことがかなり苦しかったようです。

スクールをやめようと思ったのは、楽しそうにサッカークラブから帰ってくる長男に八つ当たりを始めたからで、これではふたりの自信が折れてしまうと思い、場所を変えることを思いつきました。

ダンススクールはいずれ本格的な振り付けを覚えていく流れでしたが、そこはやめて初心者でも楽しめそうなスポーツクラブのダンスコースに改めて申し込み。

そこではとにかく楽しく踊るのが優先でテクニックなどは言われず、次男も笑顔で通っています。

経験させたことでわかったのが子どもと環境の相性で、合わなくてもほかの場所を探してみるのがいいなと思います」(39歳/営業)

好きだけれど、うまくいかない自分を見れば誰だって自信をなくしますよね。

悔しさは成長の糧になりますが、それ以上にストレスが子どもの心を圧迫すると、ほかの面で悪い影響が出るのを実感します。

合う環境さえあればのびのびと楽しめるのが実際なら、諦めずに場所を探すのも大事。

経験したからこそわかる相性もあり、「やってみる」気持ちが重要なのだと思います。