「知られる」ことの怖さ
「その人を好きな自分」について不安はないけれど、そんな自分を相手に知られることには恥ずかしさや戸惑いを覚える。知られたことで自分への態度がどう変わるのかわからないし、好かれていると知った相手が離れていくかもしれない。
そんな恐怖は、誰もが抱えるものです。
知られることの怖さは、想像できない「相手の変化」にあります。
上記に書いた女性のように、好きな人が自分に好意を持ってくれているとわかっていても「あなたを好きな自分」を伝えることはその後のふたりの変化が絶対に良いものと確約されていないと難しいのですね。
素直になるには相手からの「OK」が必要であって、それを実感して初めて正直な本心を口にできる、という人も多いと思います。
素直に気持ちを伝えたら拒否された、離れていかれた、こんな経験をした人ほど、自分の本音を相手に知られるのは怖いし上辺だけのやり取りで何とか幸せを実感したいと願うのも、仕方ないといえます。
それでも「知られる」ことをおそれている限り相手と心からの愛情を交わすことは難しく、それは相手にとってもこちらの気持ちは不安なもの、という対等を避けられないからです。
自分は伝えないが相手には伝えてほしい、自分が素直になるのはその後。そんな姿勢で関わっていれば、常に「先に示して」を求められる相手のほうはいずれ疲れて愛情が萎えてしまいます。
「素直になりたい」のは誰のためなのか、自分がその人とリラックスして過ごせるようになりたいと願って行動するのが、結局は「ふたりのため」になるのですね。