シューズクロークのメリット・デメリット
同じく近年、取り付ける人が増えているのがシューズクロークです。
単なる靴おきのスペースではなく、「シューズインクローゼット」ともいわれるように、家の中ながらも靴のまま入ることができるスペースです。
靴だけでなく、外で使用するアウトドア用品、ベビーカー、三輪車、上着や大きなバッグ類を室内に持ち込まずクロークに置くことができます。
外から汚れや湿気が持ち込まれるのを避け、室内を清潔に保つことができるのが大きなメリットです。出典(プロ建築士が絶対しない家の建て方)
シューズクロークには、ウォークイン型と出口が2ヶ所あるウォークスルー型があります。同じ機能のように見えて、実は使い勝手が大きく異なるのがポイントです。
一見、使いやすそうなウォークスルー型は、玄関の扉を閉めて、クロークの扉を開閉し、靴を脱いだらもうひとつの扉も開閉するというように、動作が増えてしまい、結局玄関をそのまま使うことが多くなるようです。出典(プロ建築士が絶対しない家の建て方)
さらに、ウォークスルー型では靴はクロークで脱ぐことを想定しているので、靴箱がなく、玄関が散らかりやすくなってしまうというデメリットも。
その点ウォークイン型では、荷物をクロークに置いた後、玄関で靴を脱ぐイメージなので靴箱を設置することが多く、日々の掃除はしやすいかもしれません。
このように、似ているようで2つには違いがあります。
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どの収納でも現状の住居にこうしたスペースがなく、新しく取り入れるという場合は、家族の行動パターンにあったものにしないと使いにくいものになってしまいます。しっかりシミュレーションして決めたいですね。
【著者】YouTube不動産 印南 和行(いんなみ・かずゆき)
株式会社南勝代表、一級建築士、住宅専門チャンネル「YouTube不動産」運営者、全国不動産売却安心取引協会理事長、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)。
1972年、東京都生まれ。建築の専門学校を卒業後、建設会社で現場監督経験を積み、2011年に株式会社南勝を設立。これまでに1000件以上の住宅のインスペクション(建物診断)を行なうほか、不動産会社向けのコンサルティングを手がける。著書に『プロが教える 資産価値を上げる住まいのメンテナンス』(週刊住宅新聞社)がある。