高校に入ってからパートでは遅い 高校に入る前の準備がカギ
子どもの学費準備を考えるとき、よくあるパターンとしては「高校に入学したら、専業主婦からパートになって学費分を稼ごう」というものがあります。しかしこのパターンはこれからの子どものお金の準備においては間違いになりつつあります。
高校の入学金や、中学時代に通う塾の費用を考えれば、そもそも「高校に入ったら」というタイミングは合っていません。どんなに遅くても、中学入学を働き出すタイミングとしたいところです。
最近では子どもが高校に入る年齢が親の50歳以上である場合も増えています。35歳まではOLであっても15年も仕事から離れていると復職がストレスとなったり、うまく仕事になじめない心配もあります。
それでは、ずっと働いている場合は心配ないかというとそうでもありません。すでに共働きの場合、すでに稼いだお金は何かに使われており「パートで年収100万円アップ」のような打ち出の小槌にはなりません。これは正社員同士の夫婦でも、正社員とパートや派遣の夫婦でも同じです。
一方で、借金は避けるべきです。教育ローンは割と借りやすい借金で、金利も低めなのですが、これを返しているうちに定年退職が来てしまいます。自分の老後の備えはまったくできないまま定年ということは珍しくありません。学費の問題を先送りしてもいいことはないわけです。
そうなると、ポイントは「子どもが生まれてから中学を卒業するまでの時間をどう活用してお金を貯めるか」ということになってきます。
誕生月から毎月1万円で入学金は準備が完了する
子どもが生まれたらまずやるべきことは「積立貯金」か「積立投資信託」です。可能であれば子どもの名義で口座を作っておくと、「これはおろさないぞ」という覚悟もできます。
15年後に50万円の入学金、18年後に90万円以上の入学金をあわててひねり出すことはできなくても、「15年」「18年」という時間はあります。そこで、毎月一定額について積み立てを行い、将来必要なお金を準備していくのです。
仮に誕生月からすぐ、「毎月1万円の積み立て」ができれば、15歳のとき(180カ月)には180万円の元本と利息が通帳に貯まっています。50万円をおろしても、18歳のとき(216カ月)には166万円と利息が残ります。これだけあれば、入学金の問題は解決です。
もし「毎月2万円の積み立て」ができればどうでしょうか。15歳のとき(180カ月)には360万円の元本と利息が通帳に貯まっています。入学金に50万円をおろしても、18歳のとき(216カ月)には382万円と利息が残ります。これだけあれば、入学金の問題は解決するだけではなく、大学4年間にかかる学費の半分が準備できたことになります。
毎月2万円というと家計から出すのは大変だと思うかもしれませんが、「毎月1万円+ボーナスごと6万円」なら、同じ24万円をためたことになります。
ぜひ「子どもが生まれたら、学費の積立」を行ってみてください。