復帰したプジョル(右)だが、今季リーグ戦の出場はわずか3試合。カシージャス(左)に至っては未だリーグ戦の出場はない  Photo by UNIPHOTOPRESS

キャプテンとしてクラブを支えてきたカシージャスとプジョル——。ふたりは、ともにポジションを失いキャリアの分岐点を迎えている。窮地を幾度も救ってきたキャプテンはいかなる決断を下すのだろうか。

 

キャプテンはどのポジションの選手でもなれるが、どんな選手でも務められるものではない。ある者は全身で感情を表現しながら大声で仲間を鼓舞し、ある者は淡々とプレーすることで周囲に落ち着きを与える。その方法は十人十色ながら、キャプテンは自身のプレーに加え、精神的支柱としてピッチ内外でチームを束ねるリーダーの役割を果たさなければならない。人一倍責任感が強く、自身よりチームのことを第一に考えて行動できる人格者が選ばれることが多いのはそのためだ。

とはいえ、いくらチームが最優先であっても、自分が試合に出ないでも良しと考える選手はいない。むしろ責任感が強い分、ピッチ上でチームに貢献できなかった時に感じる苦しみは大きいかもしれない。

イケル・カシージャスとカルレス・プジョル——。近年、スペインの2大クラブを牽引してきたふたりのキャプテンは、2013年、キャリア最大の苦難を過ごしてきたと言えるだろう。