再びメスを入れることを決断したプジョル
コンフェデ杯開催中の6月半ば、プジョルは術後3カ月が経過しても消えない右膝の違和感を完全に取り除くべく、再びメスを入れることを決断した。
手術後間もなくチームドクターのリカルド・プルーナは「他のチームメイトと共にプレシーズンをスタートできる」と、今後の見通しを語っていたものの、実際には全体練習への参加は9月半ば、公式戦への復帰は10月10日の第9節オサスナ戦までずれ込むことになった。
その間、ヘラルド・マルティーノ新監督は「CBは取らない。私はプジョルの回復を待つ」と、繰り返しプジョルの完全復活に対する期待を公言してきたが、当人は復帰から1カ月以上が経過した今も指揮官を納得させるパフォーマンスを見せられていない。それは復帰戦後の7試合で3試合しか出番がなく(うちフル出場は2回)、CLのミラン戦やエスパニョールとのダービーなど、重要な一戦ではベンチ入りすら許されなかったことによく表れている。
カシージャスはアンチェロッティがCLでの起用を保障したため、代表戦も含めて最低限のプレー機会を得られるようにはなった。コパデルレイが続く12月、1月は週1ペースで出番がある予定だが、それもチームが勝ち進めばの話だ。CLも含め敗退した時点でプレーの場がなくなることを意味するだけに、6月にワールドカップ本大会を控える彼にとってはリスクの高い挑戦と言わざるを得ない。
一方のプジョルは久々に右SBで先発した11月26日のアヤックス戦で不安定なプレーに終始し、チームも今季初の敗戦。続くアスレティック・ビルバオ戦は、右膝の打撲で欠場するなど、不遇の時が続いている。クラブは1月の移籍市場でCBの補強を検討しているとの噂もある。今後、彼の立場はさらに厳しくなるかもしれない。
共に生え抜きのカンテラーノでクラブ一筋のキャリアを送ってきた2人のキャプテンは今、人生の岐路に立たされている。プロとしてプレー機会を新天地に求めるのか、それとも愛するクラブでキャリアを完結させるべく今後も戦うのか。彼らがどちらを選ぶのか、長年そのプレーを追い続けてきた両クラブのファンは気が気ではないだろう。
※本記事は「FOOTBALL DAYS Vol.1」 (2013/12/17発売)の記事を再掲載したものです。