影を伸ばす「元カノ」

「問題だったのは、サークルに彼氏の元カノさんがいたことです。

恋バナをしているときに元恋人の話が出て、彼氏から聞いてはいたのですが、『もう過去の人だから』とはっきり言ってくれたので、最初はあまり気にしていませんでした」

彼氏が元カノの話をすることがなかったのも、麻奈美さんが安心していた理由です。

ところが、あるとき

「元カノが急に話しかけてくるから、びっくりした」

と、彼氏が言い出します。

メンバーの誰かから自分に新しい彼女ができたことを聞いたのか、「うまくいってる?」と声をかけてきたそうです。

「それで、何て答えたのって聞いたら、『もちろんと返した』と彼氏が言ってくれて、ほっとしましたね」

そのときに聞いたのは、一年ほど付き合って別れてからもふたりの仲は距離がある状態で、「人目があるからなるべく普通にしているけれど、本当は話すのもしんどい」とため息をつく彼氏を麻奈美さんは覚えています。

自分への態度も変わらず、彼氏がこうなら大丈夫だろうと麻奈美さんは思いましたが、それ以降も「今日も話しかけられた」「帰りが一緒になった」と、元カノから接触があることを聞かされます。

「無視することはできないの?」と尋ねると、「病むタイプというかすぐに落ち込むから、普通に話してすぐ終わらせるのが一番いい」と返すのを聞いたとき、「元カノ」の在り方をいまだ身近にしている彼氏にもやもやし始めたのも、この頃。

こうやって、元カノの影がふたりの交際に影を伸ばしていきました。