では、早速オリーブ牛のもも肉から。
焼き始めると、牛肉の脂のにおいがのぼってくるのですが、脂のくどい感じの臭いがまったくしないんですね。こころなしか、オリーブの香りがするような気もしました。

 

さっそく、焼き上がったオリーブ牛のもも肉を取り分けていただいて、試食してみました。お肉の味が一番よくわかるように、岩塩とオリーブ油をかけて試食。

驚いたのは、もも肉だけあって、しっかりした歯ごたえはあるけど堅くはない。それでいて、牛肉の脂とオリーブ油の違いが口の中ではっきりわかるんです。牛肉のうまみが口に広がったと思うと喉を落ちた後は、口の中にしつこく残らず実にさっぱり。お肉を食べると、お茶や冷たい水で口の中をさっぱりさせたくなることがありますが、そういった欲求がまったく起きないです。濃厚なうまみを含んだ脂があるのに、さっと口の中で引いていってしまう快い口当たりです。

 

 

続いてオリーブ牛のロース肉を焼いていただきました。食べ方は、同じく岩塩とオリーブオイルのみ。

 

もも肉をいただいた時に、もも肉らしい適度な歯ごたえがありながら、やわらかい食感に驚きましたが、このロースもまた独特な柔らかさです。

歯でかみ切る食感を楽しめるけど、堅いという不快感はまったくない食感です。それでいて、お肉全体から、オリーブオイルとは別のうまみをまとった上品なうまみの脂がしみ出てきて、言葉を失う感じでした。肉と脂のバランスが一番取れているロースの部分だからなのかもしれませんが、塩だけで食べて、これだけうまみを感じるのは、お肉のうまみがそれだけすごいということでしょう。

なにより驚いたのは、もも肉と同じように、食べ終わった後に、口の中に脂のくどさがまったく残らないことです。ほんのりお肉の香りは残りますが、お茶をいただいて口直しをしたくなるくどさは、まったくありません。