株価の乱高下が続いている中「新NISAはまだやっていない」「このまま投資を続けていいいのか?」など悩んでいる人も多いかと思います。

本稿ではそのような投資初心者に向けて、改めて新NISAのメリットや注意点などを人気YouTuber「BANK ACADMY/バンクアカデミー」運営者である小林亮平さんにお伺いしました。

「BANK ACADMY/バンクアカデミー」小林亮平さん

やさしいお金のYouTube「バンクアカデミー」運営者(チャンネル登録70万人) 。三菱UFJ銀行に勤務後、ブログやSNSで超初心者向けに新NISAなど投資の入門知識を発信 。同行退行後、ブログやSNSで資産形成の入門知識を発信。大和アセットマネジメントの公式サイトではモデルのマーシュ彩さんと投資のイロハから実際のETF投資までを楽しく学ぶ連載を実施中。

新NISA、今はじめたほうが良いポイントとは?

――新NISAについて、メリットや今はじめたほうが良いポイントを教えてください。

小林さん:今年から始まった「新NISA」には、従来のものから比べていくつか変更点があります。大きくは2つかなと思っておりまして、1つが年間で投資できる上限が変わっています。

いわゆる「非課税枠」でいくらまで投資できますかという上限なのですが、これまでは一般NISAで120万、積立NISAで40万までと決まっていました。

新NISAだと、積み立て投資枠で年間120万、成長投資枠で年間240万となり、この2つは一緒に併用することも出来るので、 合計で年間360万まで投資が可能になりました。

これがまず1つの大きなメリットです。

もう1つが非課税期間の無期限化っていうものなんですけど、そもそもNISAは投資の利益に税金がかからないというお得な制度なのですが、今までのNISAだと無期限で税金がかからずに運用を続けていけるわけではなくて、最長で5年間、 積立NISAだと最長で20年間でした。

新NISAでは積み立て投資枠も成長投資枠もいつまでも税金がかからずに運用を続けることができるようになり、非課税期間が無期限になっています。この2つが私たちにとって嬉しいポイントとなります。

――その限度額の増加や非課税の無期限化は小林さんの様なNISAを使っていた方も望んでいたものだったのですか?

小林さん:こうなったら良いなというところが実装されたというか、すごくパワーアップした制度と言われています。

今までNISAをやっていたユーザーからすると期待通りの制度で、今興味を持たれている方も、思い立ったタイミングで今からでも全然始めていただけるといいなと思いますね。

大和アセットマネジメント担当者さん:基本的に投資というものは長期投資前提で、お金をじっくり育てていきたいというニーズがあったものの、これまでのNISAですと様々な制限がありました。

それが今年刷新されたことで投資に興味を持ってくださる方が増えたら嬉しいなと思っております。

新NISA、気をつけたほうが良いポイント2つ

――新NISAをはじめるにあたり、気をつけた方が良いことはありますか?

小林:個人的にはこれも2つあるなと考えています。

1つは、投資できる上限額、非課税額が年間360万と大幅に拡大しましたが、無理に満額投資をしようとしないで欲しいということです。

投資はあくまで日常生活に支障がない範囲でやっていくことが大事です。いわゆる余裕資金というか、とりあえず始めてみる初心者の方に関しては、例えば手取りの月収の大体5パーセントから10パーセントくらいを目指すと良いと思います。

手取りが月20万円だったら、月1、2万円を投資するという目安ですね。

もう1つは、非課税期間が無期限にはなりましたし、出来るだけ長く運用を続けていくことを意識して欲しいと思います。

一度商品を購入してもすぐに売却をする、短期売買をしてしまうと、非課税期間が無期限というメリットが活かせないのかなと。色々なスタイルがありますが、基本的には買ったら長期で持ち続けるという考え方が良いのかなと思います。

――なるほど、少額からじっくりというのは初心者にも目指しやすいですね。

小林:若い方であれば年齢的な分でそれだけ長く運用を続けることが出来ますよね。

1度買ったら例えば3ヶ月後とか半年後に売らないで、1年、2年をまず目指し、5年、10年の期間で考えていくのが投資のスタンスとして良いと思います。

ETFとは? 注目されている理由

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――ETFとはどの様な投資ですか?なぜ注目されているのでしょうか。

小林:ETFは日本語に直すと「上場投資信託」と言われるものです。まず「投資信託」について説明しますが、投資信託と聞くと難しそうで、特に初心者の方には、とっつきづらいようなイメージがありますが、そんなに難しいものではありません。

僕は投資信託のことを「袋詰めのパッケージの商品」という風に説明しているんですけど、例えばA社、B社、C社、色々な会社の株式が袋詰めになっているのが投資信託です。

例えば、日経平均株価に連動する投資信託というものがあるのですが、日本を代表する 225社の株価の平均点をまとめて袋詰めにしているのが日経平均株価で、それを買う時はその投資信託を選べば買えるイメージです。

ETFも上場投資信託なので、まずその投資信託の要素を持っている、袋詰めの商品なのだと考えて欲しいです。加えて「上場」とついているのでリアルタイムですぐに取引をすることが出来ます。

投資信託というものは、思い立ってすぐに買うことができなくて、1日とか2日とか数日のタイムラグが生じてしまうんですね。

そこがETFだと、証券取引所に上場している分リアルタイムですぐに購入したり、売却をしたりすることが出来ます。

――素早い動きが可能になるのですね。

小林:特に最近で言うと、8月の初旬頃に日経平均の歴史的な下落がありました。

そんな時に「大きく下がったところで、ちょっと買っておきたいな」と思ったら、数日のタイムラグがあるので、ETFを選択することによってタイミングを逃さずにリアルタイムで購入出来ることは強みだなと思います。今のように相場が大きく動いている時こと、ETFを利用するメリットがあると感じています。