3:イメージできないタイプ〜「知覚統合」が低い場合

知覚統合とはイメージで考える能力のことで、この能力が低いと「数学や物理の成績が悪くなる」、状況を客観的に見て判断するのが苦手なため、自分の感情や主観で思い込みやすく「円滑なコミュニケーションがとれない」ということが起こります。

先生のクリニックでも、対人関係の悩みを抱える人は知覚統合が低い人がかなりの割合を占めているとのこと。

知覚統合は鍛えられる能力です。幼いうちからブロック玩具やパズルに親しむことも有効ですし、将棋や囲碁は、知覚統合の戦いといえるので、詰め将棋の問題を解いたりすることも、知覚統合を鍛えるのによいでしょう

出典(マンガでわかる発達障害グレーゾーン)

4:共感するのが苦手なタイプ~「知覚統合」が強すぎる場合

知覚統合が弱いタイプの人もいれば、世のなかには、まったく逆で知覚統合が突出して強いタイプの人もいます。

知覚統合は変化や未来を予測し、損害を避け、有利な選択をする能力でもあり、ものごとを客観的に達観して、冷静な判断をする能力にも通じています。ただ、知覚統合が優れている人でも、客観視ばかりで共感が不足すると、いかにも他人ごとという冷ややかな態度が見えたり、突き放した姿勢で優しさが欠けてしまうのです

出典(マンガでわかる発達障害グレーゾーン)

知覚統合が強すぎることで、社会的には問題がなくてもプライベートな人間関係で問題を抱えやすくなってしまいます。

5:ひといちばい過敏なタイプ〜HSPと不安型愛着スタイル

大きな音が苦手といったASDタイプの神経的な過敏さのほかに、相手の気持ちを汲み取りすぎて疲れたり、他人の不機嫌が苦手で気を使ってしまうなど、心理的な過敏さを持つHSPタイプも存在します。

HSPの判断基準は確定されていませんが、医学的概念としては不安型愛着スタイルと呼ばれるものにほぼ相当すると考えられています。

安定しない境遇で育った場合、子どもたちは周囲の人たちの顔色に敏感にならざるを得ず、それを読み取り、機嫌を取るという戦略で生き延びようとします。その結果、人の顔色に敏感な特性を身に付けてしまうと推察されます

出典(マンガでわかる発達障害グレーゾーン)

対処法としては、薬物療法のほかマインドフルネスやポジティブ心理学によるアプローチも有効です。