4 親の怠慢と子どもへの過信
「ネットのことはよくわからないので、子どもに任せているんです」
長谷川さんのもとに寄せられるママの声ベスト3に入るのが、これなのだそうです。
子どもがスマホを持っていなくても、自分のスマホを子どもに貸しているうちに、いつのまにか子どもの方がスマホに詳しくなってしまったりするケースも珍しくありません。
ですが、スマホを使いこなせている子どもが、ネットトラブルを回避できる術まで身につけていると思ったら、大間違いです。
また、「うちの子にかぎって」というママがいます。
その過信はどこから来るのでしょうか。
長谷川さんによれば、それは親の思い込みに過ぎず、うちの子は大丈夫と思っているご家庭ほど、トラブルに巻き込まれる確率は高いのだとか。
子どもは成長するにつれ、自分の世界をつくっていきます。あなたのかわいい子どもだって、例外ではないのです。
起こりうるリスクははかりしれない
では、ネットトラブルへの対策を講じないで、子どもを放置していると、どんなトラブルが起こりうるのでしょうか。具体的に挙げていきましょう。
ネットに一度アップされた画像や動画は、半永久的にネットに残ります。たとえ削除しても、誰から削除前にコピーして拡散すれば、それを止めることはできません。そこから想定されるリスクはいくつもあります。
たとえば、なにげなくFacebookに載せた友達との画像。これが、友達の権利を侵害している行為につながるとは、お子さんは夢にも思わないかもしれませんね。いつもの仲良しグループだし、なにがいけないの? と。
ですが、友達のなかには、自分の顔がネットに流出することを嫌がる子もいるかもしれません。「肖像権」といって、芸能人であろうが一般人であろうが、自分の姿を無断で撮影されない、という権利を持っているのです。
こういったことは、知らなかったでは済まされません。ただの顔写真ならまだしも、子ども同士がふざけて撮った裸の写真だったら・・?最悪の場合、子ども自身が「児童ポルノ製造の罪」に問われることだって、ありうるのです。
さらに、画像に位置情報が埋め込まれていたら? そこから、プライバシーはダダもれしています。
そんな大げさな、と思われるかもしれませんが、それが実際に身に危険を及ばせるかどうかは、紙一重なのです。
想像力を働かせてみてください。もし、あなたや子どもが無防備に公開している情報を悪用しようと思っている人が目にしたら?
また、運動会の様子を撮った動画をYoutubeにアップしたとします。動画ということは、音声つきということです。
ということは?
運動会の徒競走で使われた人気グループのヒットソング、そのまま使えば、立派に「著作権違反」になるのですよ!
他にも、内定先の企業の悪口をTwitterに書き込んで、内定が取り消しになった学生や、オンラインゲームで友達のIDとパスワードを無断で借りて遊んだために、乗っ取り被害の事件の犯人になってしまった小学生など、こわいことはいくらもあります。
さらに、子どもの年齢が上がれば、リベンジポルノに遭う可能性も出てきます。若いカップルは高い確率でお互いの写真を撮ったり、SNSに上げたりしますからね。ネット上に残ったあられもない姿の画像のために、将来の結婚や就職が台無しにならないとは言い切れません。
こういったリスクについては、早くから子どもと話しあっておくことが重要です。