親ができること

ここまで読んで、「やっぱりネットは危険! 排除しなくては・・」と思われたママもいるかもしれませんね。

ですが、長谷川さんも書いていますが、今の世の中でネットと無縁でいられる生き方は、あまり現実的ではありません。

友達のゲームやスマホなど、親の目の届かないところでネットにさらされる可能性はいくらもありますし、学校教育の中でネット機器の導入も加速しています。そもそもWiFi環境は、今後街中でどんどん整っていくのですから。

また、子どもになにかをただ禁止することほど、子どもにそのことをやりたくさせることはないのではないでしょうか。押しつけではダメなのです。なぜダメなのか、とことん子どもと話し合いましょう。

この時に、子どものため、というニュアンスでなく、あくまでも、主語を自分に置いて話すことが、子ども相手でも大切です。その上で、なにが危険で、どう気をつけなくてはいけないか、自分でリスクを想像させるのです。

たとえば著作権の侵害は、子どもが加害者になりがちなことの上位にくるものです。

「〇〇ちゃんの好きな◆◆(アーティスト名)が苦労してつくったものを、勝手に使ったら、◆◆はどんな気持ちがするかな?」などと、わかりやすい例を用いて、話してみましょう。「こんな場合は著作権侵害になるか?」と、クイズ形式で考えてみてもいいですね。

その流れで、「じゃあ、どうしたらいいかな」と促し、ルールは子どもにつくらせましょう。

まとめ

「安心は思い込み、安全は備え」だと長谷川さんは言います。

「備えといってもなにをすればいいのかわからない」という人もいるかもしれませんが、少し調べれば、自分でできる備えはいくらでもあります。

たとえば、LINEを夜間は受信しない設定にすることで、既読スルーの恐怖から解放されますし、カメラで写真を撮る前に、ジオタグ(写真に埋め込まれる位置情報のこと)をオフにしておくことも大切です。

親子ともども、あとで泣くことのないように、しっかり対策をたてたいですね。そのためには、やみくもにネットトラブルを恐れるのではなく、まず知ることから対策は始まります。

ネット自体は悪いものというわけではありませんから、ネットに振り回されるのも、うまく使いこなすのも、自分次第ということですね。

<参照>株式会社日本レジストリサービス 2017年6月20日 プレスリリース 「インターネット教育に関する調査で教諭の4割弱から「情報教育」の教材不足の声