より脳にダメージが大きいのは言葉のDV!
友田さんとハーバード大学との共同研究によると、子どもの頃、両親間のDVを目撃して育った人は、脳の後頭葉にある視覚野の一部で、単語の認知や夢をみることに関係する「舌状回」の面積が、正常な脳と比べて平均6%小さくなっているという結果が出たそうです。
さらに、驚くべきは、身体的DVを目撃した時の萎縮率が約3%だったのに比べて、言葉によるDVの場合は約20%、つまり前者の6~7倍にもなるという結果です。
体の怪我はいつか治っても、言葉の暴力で受けた傷は治りにくいということなのでしょうか。
「自分にはひどい夫でも、子どもにはよい父親」なんていない
言葉のDV(モラルハラスメント)を受けている女性が、「自分にはひどい夫でも、子どもにはよい父親」と夫をかばうような発言をすることがあります。
でも、それは本当でしょうか。子どもにとってよい父親が、子どもが大好きな母親をいじめたりするのでしょうか。
夫婦間の問題を解決するのには時間もかかり、話し合いも必要になると思いますが、まず子どものためにできることは、ヒートアップしそうな夫婦の話し合いは子どもの見ていない所ですることです。
友田さんは、「夫婦ゲンカはメールやラインで」とアドバイスしているそうです。
また、男性のなかには、子どもに夫婦ゲンカを見せることの問題点が理解できない人もいるかもしれません。その場合はまず、自分たちのケンカを見ることで子どもにこんな悪影響があるんだということを、相手に具体的に知ってもらわないといけませんね。
その上で、根気よく、話し合いを続けることが必要でしょう。