親として、子どもに教えたいこと、いろいろあると思います。教えるのが難しいことも、いろいろありますよね。中でも、子どもに「あいさつ」を教えるのは難しいと感じている人は多いのではないでしょうか。
子どもがあいさつできないと、つい親は「ほら、“こんにちは”は?」と言ってしまったり、あいさつのできるよその子どもを褒めそやしてしまいがち。それでは、あいさつの苦手な子は、ますますしたくなくなりますよね。
このたび、親子で楽しみながらあいさつを学ぶのにピッタリな絵本をご紹介します。
発行部数19万部を突破した『えがないえほん』の訳者である大友剛さんが訳した『はずかしがりやのきょうりゅう クランチ――あいさつのえほん』がそれです。
さて、どんな絵本なのでしょうか?
あいさつできない子どもはけっこういる?
あいさつができない子どもに悩む親は多いようで、「子ども」「あいさつ」と検索欄に打ち込むと、真っ先に「子ども あいさつできない」と出てきます。
また、あいさつのできないよその子どものことが気にかかる人も多いようです。
あいさつのできない子どもにも、いろいろタイプがあると思います。知らない人と話すのが恥ずかしいから。強制されるのがイヤ。あいさつの意味がわからない。などなど。
子どもをただ叱っても、あまり効果は望めないでしょう。子どものタイプによってアプローチを変えることが必要になってきます。
あいさつは本来なら気持ちのいいもの
本来なら、あいさつは楽しく、気持ちのいいものです。
あまり話したことのない人にこんにちは、と呼びかけて、相手の表情がやわらぎ、あちらからもこんにちはが返ってきて嬉しかった体験は、誰にもあるのではないでしょうか。
反対に、あいさつしてもあいさつが返ってこなかった時、残念だったり、悲しかったり、時にはムッとしてしまうこともありますよね。
子どもに教えるべきは、あいさつの楽しさや気持ちのよさなのではないでしょうか。でも、どうやって?
そんな時は、『はずかしがりやのきょうりゅう クランチ――あいさつのえほん』の登場です。この絵本なら、どんな子どもも自分からあいさつしたくなってしまうのだとか。
訳者の大友さんが、全国の保育園や幼稚園で、実際に読み聞かせをした様子を動画で拝見しましたが、元気な声が飛び交っていました。
クランチははずかしがりやのきょうりゅうですから、子どもたちの方がリードしてあげなくてはなりません。あまり大きな声を出すと、隠れてしまうし、聞こえないと近くまで寄り過ぎてしまいます。
ついにクランチが心を許して踊りだすシーンでは、子どもたちも大喜びです。
子どもが自分からあいさつしたくなったらしめたもの
筆者の住む地域では、小学校に上がれば、外で会う人にあいさつをするよう指導をしているようで、近所の子どもたちはもれなくこんにちは、と言ってくれますが、若干言わされ感がなくはありません。
あいさつは先生に言われたからするものではないのでは、と思ってしまいます。
『はずかしがりやのきょうりゅう クランチ――あいさつのえほん』は、年中さんくらいから楽しめます。教育絵本として読むのではなく、親子であいさつで遊ぶ感覚で読むのがいいのでは、と思います。
子どもによってフライングしたり、絵本どおりに進まないこともあるかもしれませんが、臨機応変にアドリブをきかせて、なにより子どものキラキラしたリアクションをママが楽しんでくださいね。