メンタルヘルス関連キーワード検索数は2014~2024年の10年で約12倍に

ピクスタ株式会社(東京都渋谷区 代表取締役社長:古俣大介、東証スタンダード:3416)が運営する写真・イラスト・動画・音楽素材のマーケットプレイス「PIXTA(ピクスタ)」は、2026年5月のサービス開始20周年を記念し、特別連載【ビジュアルで見る日本社会の20年】を実施しており、特設サイト「PIXTAが映した日本社会の20年」も公開中です。特別企画の第3弾として、「健康」をテーマにした分析記事を公開します。10月の「健康強調月間」と、10月10日の「世界メンタルヘルスデー」に合わせた企画です。20年分の販売動向と検索データから、日本社会が「健康」をどう捉えてきたのかを分析しました。見えてきたのは、「野菜とジム」という一つの正解から、多様な選択肢へと広がる健康像です。かつてほとんど描かれなかった「心の健康」も、いまでは素材として求められるようになりました。メンタルヘルス関連の検索数は、2014年からの10年で約12倍に増えています。ストックフォトの売れ筋は、その時代の広告やメディアが求める姿を映す鏡です。当社は20年間蓄積してきたアーカイブを「日本の文化資産」と位置づけ、ビジュアルの変化から日本人の価値観の移り変わりをひもといています。

◆【ビジュアルで見る日本社会の20年】第3弾 ストックフォトの「健康像」はどう変わったか?:https://pixta.jp/guide/?p=74424




<分析概要>
調査主体:ピクスタ株式会社
分析対象期間:2006年5月~2026年10月(サービス開始からの20年間)
分析対象データ:「PIXTA」における画像・動画素材の販売データおよび検索キーワードデータ
分析テーマ:健康・運動・食・メンタルヘルスに関するビジュアル表現の変遷
関連企画:連載企画【ビジュアルで見る日本社会の20年】の一環として実施

■ 背景

コロナ禍を経て、人々の健康行動は大きく変わりました。自宅でのオンライン運動が定着し、プロテインや腸活、発酵食品にも注目が集まっています。行動制限の緩和とともに、ジムに戻る人も増えました。
心の健康への関心も、段階的に高まってきています。2015年12月には、職場でのストレスチェックが義務化。翌2016年には、過重労働をめぐる問題が大きく報じられています。2021年には、世界のトップアスリートが心の健康を理由に大会を辞退・棄権しました。同年の東京大会でも、選手のメンタルヘルスが繰り返し語られています。
職場での心の不調も、表に出るようになってきました。うつ病などの精神障害を理由に労災を請求した件数は、2025年度に4,958件(前年度比1,178件増)にのぼります(※1)。コロナ禍前の2019年度の2,060件と比べると、約2.4倍に増えた計算です(※2)。こうした中、従業員の心身の健康に投資する「健康経営」「ウェルビーイング経営」を掲げる企業も増えています。健康はいま、個人の問題から、企業や社会が向き合う課題へと変わりつつあります。
PIXTAの売れ筋や検索の動きにも、こうした変化ははっきりと表れています。健康は「一つの正解をみんなでなぞるもの」から、「一人ひとりが自分の体と心を整えるもの」へ。今回の分析では、その移り変わりをデータで可視化しました。

※1 出典:厚生労働省 令和7年度「過労死等の労災補償状況」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74476.html
※2 出典:厚生労働省 令和元年度「過労死等の労災補償状況」(国立国会図書館による保存版)https://warp.ndl.go.jp/web/20220105014414/https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11975.html

■「健康像」で見る20年の変化、創業時と現在の比較

20年のデータを通して見えてきたのは、健康の描かれ方の変化です。コロナ禍前まで、健康のビジュアルは「色とりどりの野菜」と「明るいジムで笑う若い男女」が主役でした。しかし、いま選ばれているのは、何を食べ、どう体を動かしているかが具体的に伝わる等身大の姿です。笑顔の集団よりも、一人で自分の体と向き合う個人が増えました。かつてほとんど描かれなかった心の健康も、体と並ぶテーマになっています。使われる場面も、広告のイメージ写真から、健康経営の社内資料や医療・介護の現場へと広がりました。企業やメディアが発信する健康の姿にも、こうした変化を映すことが求められています。




▼詳細は特設記事でご覧いただけます。
https://pixta.jp/guide/?p=74424

■ ビジュアル・検索ワードの変遷から見る、日本人の「健康像」の変化

20年間の販売データと検索ワードをひもとくと、健康のイメージは社会の変化とともに3つの時代を経て変わってきました。

【~2019年:「健康=野菜とジム」、一つの正解が共有されていた時代】
健康食素材のほぼ9割は、野菜やサラダが主役の写真です。運動の場はジムや公園が中心で、家族そろって体操するような明るい構図も好まれていました。心の健康を表す素材の需要は、まだごくわずかです。2016年には、メンタルヘルス関連の検索が前年の約3倍に跳ね上がりましたが、描かれるのは頭を抱える人など、個人の悩みの姿にとどまっています。



【2020年~2021年:健康が、家の中に閉じ込められた】
2020年春、新型コロナウイルスの感染拡大を境に、健康素材のビジュアルは大きく塗り替えられます。外出の自粛が広がり、運動の場は家の中へ移りました。そこで生まれたのが、画面越しにレッスンを受ける「オンライン運動」という新しいジャンルです。運動素材に占める割合は、2年間で30倍以上に増えています。健康素材の売れ筋も、マスクや手指の消毒など感染予防のシーンが占めました。一方で、主要なメンタルヘルス関連の検索は静かに減っています。関心が感染予防に向いた影響と考えられます。そのなかで「燃え尽き」だけは伸び続けました。見えないところで、心の疲れが積み重なっていたのかもしれません。




【2022年~2026年:「整える」対象が、体から心へ広がった】
行動制限が緩むと、人々はジムに戻りました。オンライン運動も、コロナ禍前の約20倍の水準で定着しています。健康食では、プロテイン・高たんぱくが約2.7倍、発酵・腸活が約1.9倍に伸びました。最も大きく動いたのが、心の健康です。メンタルヘルス関連の検索数は2014年からの10年で約12倍、「心療内科・精神科」は約120倍に増えています。探される言葉も、一般的な「カウンセリング」から、「心療内科」「適応障害」へと移りました。



▼詳細は特設記事でご覧いただけます。
https://pixta.jp/guide/?p=74424

■ 売れ筋素材が示す、日本人の次の欲求

心の不調を語ることが特別ではなくなったいま、売れ筋には新しい兆しも表れています。屋外で目を閉じて瞑想する人、サウナのあとに外気浴をする人、スマートウォッチで睡眠や心拍を確かめるシニア。「整える」という行為そのものが、ビジュアルの主役になり始めました。特別な場所や道具を必要としない、日常に溶け込んだ健康のかたちといえます。
健康は、20年を通じて安定して求められてきた定番のテーマです。その安定した需要の中で、選ばれるビジュアルの中身だけが静かに入れ替わってきました。「色とりどりの野菜と明るいジム」だけで健康を表すコンテンツは、生活者の実感とずれ始めているかもしれません。

■ AI学習データとしての価値

本連載で扱うデータは、次世代のAI開発を支える「文化的多様性の基盤」としての側面も持っています。PIXTAは20年間、日本の文化や働き方、季節感の変化を記録してきました。いまでは素材サイトの枠を超え、日本の実像を次世代へ引き継ぐ「文化のデータアーカイブ」として機能しています。
今回の分析では、過去20年分の販売データや検索キーワードを横断的に活用しました。素材には、「オンライン運動」「発酵食品」「ウェルビーイング経営」など、日本市場ならではの細かなタグ情報(メタデータ)を付けています。こうした情報が、文脈まで理解できる精度の高いAI学習を支えます。「心理的安全性」や「一人で整える暮らし」のように写真では表しにくい概念も、豊富なイラストで体系化しています。海外の動向だけではとらえにくい日本独自の文脈や、クリエイターが切り取った感情の機微を宿している点も強みです。すべての素材は、モデルリリース(写っている人物の使用許諾)など適切な権利処理を済ませています。AI学習においても、倫理的で安心して使えるデータです。

▼ビジュアルで見る日本社会の20年 第1弾 ストックフォトの「旅行像」はどう変わったか?:https://pixta.jp/guide/?p=73790

▼ビジュアルで見る日本社会の20年 第2弾 ストックフォトの「シニア像」はどう変わったか?:https://pixta.jp/guide/?p=74336

▼特設サイト「PIXTAが映した日本社会の20年」:https://pixta.jp/20th

■ 今後の展望

当社は「ストックフォト企業」から「日本文化のデータアーカイブ企業」へと役割を広げ、ビジュアルデータの価値を文化資産として再定義してまいります。健康については、企業が従業員の心身の健康を経営の軸に据える動きや、AIを活用したセルフケアの広がりに合わせて、「体と心を整える」日常のビジュアルを充実させていきます。【ビジュアルで見る日本社会の20年】は連載企画として、今後も様々な切り口で分析を順次配信する予定です。

■ PIXTAについて

「PIXTA」はプロ・アマチュアを問わず誰もが自ら制作した写真・イラスト・動画・音楽をインターネット上で売買できるデジタル素材のマーケットプレイスとして2006年5月にスタート。「日本人や日本文化に関わる画像・動画素材ならPIXTA」と評される国内最大のデジタル素材サイトです。
近年は広告などのクリエイティブ制作分野への素材提供のみならず、機械学習を行う企業や学術機関向けにAI開発用の学習データとしての画像・動画素材を提供。アノテーションサービスと共にAI開発の支援もしています。
併せて、写真の撮り下ろしサービスとして、全国のフォトグラファーとマッチングできる法人向け出張撮影「PIXTAオンデマンド」を展開し、ビジュアルプラットフォームとして企業の様々なビジュアルニーズに対応しています。



【会社概要】
ピクスタ株式会社 (東証スタンダード:3416)
設 立:2005年8月25日
所在地:東京都渋谷区渋谷2丁目21−1 渋谷ヒカリエ 33階 JustCo Shibuya Hikarie
TEL:03-5774-2692 
URL:https://pixta.co.jp/
資本金:332,437千円(2026年6月末時点)
代表取締役社長:古俣 大介
事業内容:コンテンツ販売事業
     撮影事業
      ものづくり体験事業
子会社:PIXTA ASIA PTE. LTD.
    PIXTA VIETNAM CO., LTD.
    POTONOW CO.,LTD.
    株式会社YASUMI WORKS
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