4.40代〜60代がやっておきたい「これからの医療費の備え」3つの基本
「医療費の負担が増える」というニュースに惑わされず、まずは家計の土台を整えることが先決です。
次の3つのステップで無理のない備えを固めましょう。
1.普通預金に「医療用の予備資金」を50万〜100万円確保する
高額療養費制度でカバーされない費用として、以下の実費があります。
・差額ベッド代: 1日平均約7026円(2025年8月1日時点。厚生労働省「主な選定療養に係る報告状況」より/個室の場合は1日1万円を超えることも)
・入院時の食事代: 1食550円、1日3食で1650円。<2026年6月1日より、一般的な区分の金額>
・パジャマ・日用品代・家族がお見舞いに来る交通費等
金額の出典:厚生労働省保険局長「健康保険及び国民健康保険の食事療養標準負担額及び生活療養標準負担額及び後期高齢者医療の食事療養標準負担額及び生活療養標準負担額の一部を改正する告示」について(通知)より
短期入院の自己負担額、約9万円台にこれらの実費を足しても、1回の入院で必要な費用は多くても20万〜30万円前後です。
そのため、普通預金などに50万〜100万円程度の生活防衛資金があれば、短期の入院手術は手元の貯蓄だけで十分に対応できます。
2.職場の健康保険証にある「付加給付」を確認する
会社員や公務員、またその扶養家族の方は、加入している健康保険組合の規約を確認してみましょう。
大企業や公務員共済組合などでは独自の「付加給付」を設けているところがあり、1か月の自己負担上限を更に抑えてくれます。給付の基準は加入先の健康保険組合によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。
3.手元の保険は「今の医療実態」に合っているか確認する
40〜60代は、20・30代の頃に加入した古い医療保険(「入院1日につき5000円」がメインで、1週間以上の入院でないと保険金がでない保障など)をそのまま継続しているケースが少なくありません。しかし、厚生労働省の患者調査でも平均入院日数は年々短期化しており、外来・通院治療が主流です。
・長期入院を前提とした古い特約に高い保険料を払い続けていないか
・まとまった費用に充てられる「一時金」や、全額自費となる先進医療への備えはあるか
家計の固定費を無駄に増やさないためにも、「手元の貯蓄」と「公的医療保険」でカバーできる範囲を把握した上で、必要な保障だけをシンプルに残す点検を行いましょう。
5.公的制度という土台を知り、落ち着いて家計を整えよう
制度改定のニュースを見ると「負担増」という見出しばかりに目が行き、不安になってしまいがちです。
しかし、日本の公的医療保険は依然として手厚いセーフティネットを維持しています。
1.公的制度(月額上限・年間上限・多数回該当)の仕組みとマイナ保険証の利便性を知る
2.生活防衛資金(50万〜100万円)を手元に確保する
3.足りない部分だけを賢く補う
この3本柱を意識して、40代〜60代のこれからの暮らしと家計の安心をしっかり守っていきましょう。
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【執筆者プロフィール】
田端 沙織(たばた さおり)

キッズ・マネー・ステーション認定講師/ファイナンシャルプランナー
証券・運用会社で10年超の勤務経験を活かし、ファイナンシャルプランナーとして「正しく・分かりやすく」お金のことや資産運用について伝える講座や相談業務を行っています。得意分野は資産運用。小中学生3人を絶賛子育て中。

















