【味わうべきLegend 3】デリー 上野店(上野)
17種類の香辛料でつくる、奥深い味わいのスパイシーカレー
創業は1956年(昭和31)と、いまから約60年前。商社マンとしてインドに駐在した田中敏夫氏が当時味わったカレーを再現するべく、研究を重ねて上野店を開いたという。店はカウンターとテーブルを合わせても17席とこぢんまり。しかし、コンパクトでカジュアルな外観からは想像がつかないほど、店内はパンチの効いたスパイスの香りが充満する。
「デリー」ではライスに石川県産のコシヒカリを使用する。“米食の日本なのだから、おいしいお米が楽しめるカレーを提供したい”という創業者の想いがあり、お米に合うカレーに調整を重ねたのだそうだ。カレーの質感はサラサラした「デリーカレー」のようなタイプから、とろみのある「コルマカレー」など多彩だ。
辛さは5段階あり、たとえば「デリーカレー」は星1つなど、カレーごとに辛さの度合いが表示されている。もっとも辛い星5つのカレーは、食べると額から汗が吹き出すほどだ。しかし、ただ辛いのではなく、複雑に絡んだスパイスの旨みが楽しめるのがおもしろい。辛くてたまらないのに、食べずにはいられない。そんな味わいのカレーをどうぞ。
【いま注目! スリランカカレー】
スパイシービストロ タップロボーン(南青山)
日本の料理とも親和性が高い、スリランカの味覚を楽しもう
いまから23年前に来日した「タップロボーン」のオーナー、カピラ・バンダラ氏。もともとは、スリランカ産宝石の販売を手がけていたという異色の経歴の持ち主だ。日本の友人が増えるにつれて、「スリランカの食習慣を教えて」「スリランカとインドのカレーってなにが違うの?」など、スリランカの食文化について尋ねられる機会が増えてきた。そこで一念発起して2010年にスリランカ料理の店を開業させた。
「タップロボーン」ではスリランカの家庭料理を提供。カピラ氏のお母さんが本国で丁寧にブレンドしたスパイスを使ったおいしい料理を、カピラ氏が考案しているのだそうだ。スリランカ料理には「ふたつの大きな特長がある」とカピラ氏。
「ひとつ目は油をほとんど使わないことです。香ばしい香りはすべて、スパイスの匂いなんですよ。そしてもうひとつは、モルディブフィッシュをダシのベースに使うことです」。モルディブフィッシュとは、日本で言えば鰹のこと。油を使わないからヘルシーだし、鰹節を使うから日本人にも親しみやすい。遠い国の料理でありながらどこか親近感がある。そんな味わいなのである。
港区南青山2-2-15 ウィン青山1F
03(3405)1448
10:30~15:30/17:00~23:00(LO22:30)
日曜・祝日休
26席
禁煙
カード不可
予約可
昼目安880~1080円/夜目安3000~5000円
東京メトロ青山一丁目駅より徒歩約2分
【ひと味違う!カツカレー】
般゜若 PANNYA CAFE CURRY(下北沢)
松尾貴史氏が手がける、黒い衣のカツがのるカツカレー
店名は“ぱんにゃ”と読む。キッチュこと松尾貴史氏が開いたカレーの店だ。松尾氏の名前を聞いただけで期待感は大きい。タレント、俳優、コラムニストなど多彩な領域で活躍する松尾氏は、知的かつユーモアがある雰囲気が特徴的。そんな氏のカレー好きが高じて、恵比寿の「bar まはから」の店主、渡辺大黒氏と共同研究してつくりあげたそうなので、おいしくないわけがない。
「般若」が提供するのはインドカレーだ。とくに地域を限定するわけではないが、どちらかと言えば北インドのカレーがベース。ガラムマサラなどを使いながら、日本人になじみのあるダシ、醤油、バターなども活用してカレーにコクと旨みをプラスする。カレーの質感はサラサラしているけれど、スープというほどしゃばしゃばでもない。ちょうどいい塩梅である。
名物は、黒いカツがのった「マハーカツカレー」。肉厚だけどやわらかいカツは衣のサクッとした食感とのハーモニーが絶妙。これがカレーにからむとたまらない旨さだ。
下北沢の路地裏という、ちょっぴり通好みのエリア。そして、女性ひとりでも入店しやすいカフェ風の雰囲気もこの店の魅力だ。
世田谷区北沢3-23-23 下北沢シティハウスII 1F
03(3485)4548
11:30~LO14:30/17:30~LO21:30
水曜休
11席
禁煙
カード不可
予約不可
昼目安1000~2000円/夜目安2000円
小田急線・京王線下北沢駅より徒歩約5分