今年3月に東京・シネマート新宿にて行われ、好評を博した上映イベントが再び、「K ミュージカルシネマ『サリエル』記録上映会」(韓流ぴあ主催)として大阪と東京にて全5回で上映されます。この上映会に合わせて、サリエル役のチェ・スヒョン、モーツァルト役のムン・ソンイルがインタビューに応えてくれました。今回は、出演者ふたりによるインタビューから、同作の魅力をご紹介します。
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サリエル役 チェ・スヒョン
「サリエルにあらためてスポットを当てるのが魅力的」
誰からも尊敬される宮廷音楽家だったサリエルが、若きモーツァルトの才能に嫉妬心を抱くようになり、やがて現れた謎の男“ジェラス”の言葉に翻弄されていく本作。
大学で声楽を学び、合唱団での活動を経て'07年に『ノートルダム・ド・パリ』でミュージカルの世界に足を踏み入れたチェ・スヒョンは、音楽と神を一途に思うゆえに破滅へと向かっていくサリエルを、豊かな低音の歌声と真摯な雰囲気で体現している。
「初めて台本リーディングをしたときに、『この役は私のものだ!』と感じました。振付の方も『スヒョンさん、あなたはサリエルそのものですね』と言ってくださって自信につながりました。
『サリエル:嫉妬のささやき』というタイトルを初めて見た瞬間からテーマがすごく気に入っていました。モーツァルトを描いた舞台は多いですが、サリエルを重点的に描き、彼の嫉妬が一体何なのかと考えさせられる……そんなテーマが斬新で新鮮だと思い、私が演じることになったという知らせを聞いたときはとても嬉しかったです。
考え方によっては、サリエルという人物がこの世界に生きる99%の私たちを表しているのでは、と感じてさらに共感しましたし、魅力的な人物だと感じました」
さらに創作ミュージカルで初演だったことが、この作品を選ぶ大きな動機になったという。
「これまでライセンス作品を多く演じてきて、もちろん創作ミュージカルにも出演しましたが、“創作初演”は今回の作品が初めてだったんです。だから愛着もありますし、みんなで作り上げていく中で、たくさん話し合って気持ちを通わせて、ときには意見が合わず喧嘩をすることもありましたが、今になって振り返るとすべてが楽しい思い出になっています。
『サリエル』の魅力は何よりも、良いテーマにあると思います。サリエルにあらためてスポットを当てるというテーマがとても魅力的ですし、この作品にはとても大きな音楽の力があると思います。日本の映画館で上映されるということがとても不思議な感じがしますが、光栄に思います。自分が歌う姿が映画館で上映されるところを私自身も絶対に見てみたいです」