3.妻にとっても仕事は大切なもの
夫から努力を歓迎してもらえず、嫌味を言われ続けるようでは、仕事を続けていくこともつらいし夫婦関係も悪化していきますよね。
ですが、夫の言いなりになって仕事を減らし、本当は得られるはずの収入を諦めることが、妻にとって本当に正しいことなのでしょうか。
先ほど出た筆者の知り合いは、夫の「調子に乗るな」という言葉に負けず、今の仕事に力を尽くしました。「好きな仕事だし、自分でもしっかり稼ぎたい」と思った彼女は、仕事を続けることで自信を得ていったといいます。
頑張りが認められ、パートから正社員に登用されることが決まったとき、彼女は夫に「離婚して」と告げました。
夫の態度がプライドからくるものだとわかっていても、彼女には自信を与えてくれる大切な仕事があり、それを認められないなら無理に夫婦でいる必要はない、と判断したのです。
それを聞いた夫は、一度は彼女を責めたものの、結局自分が間違っていたことに気が付きました。
事実、彼女の収入のおかげで生活はだいぶ楽になり貯金も増え、家事の負担は増えたけれど共働きなら当然の範囲であり、今まで自分がどれだけ彼女に甘えていたか、離婚を突きつけられて初めて思い知ったのですね。
それから夫は改心し、彼女が出勤するときは「頑張ってね」と声をかけるまでになりました。
4.諦める前に、「本当の自分はどうしたいか」を考えてみる
先にも書いたように、夫のプライドは夫の問題です。
「私が仕事をすることで夫が不機嫌になる」のは、妻の責任ではなく夫が「妻もひとりの社会人」という立場を忘れているだけ。
分担された家事を放り出して仕事ばかりしているとか、休日まで家族より仕事を優先するとか、家庭をないがしろにするならもちろん問題ですが、きちんと家のこともやっているのなら、責められるいわれはありません。
仕事を諦める前に、「本当の自分はどうしたいか」を考えてみましょう。
本当に今の仕事が好きでこれからも続けていきたいと思うなら、それを夫に伝える必要があります。「あなたが働いているように、私も好きな仕事を頑張りたい」と“宣言”したうえで、悔いのないように精を出したいですね。
「家事はどうするんだ」「俺の収入じゃ不満なのか」など、夫としての立場から不満をぶつけられたら、「ふたりで協力していこう」と答えます。
妻が働くことに、夫の収入は関係ありません。「不満があるから働く」のではなく、「自分がそうしたいから働く」のが正解なのです。
妻を大切にできる夫は、妻の「こうありたい」気持ちを尊重します。家事は協力すれば乗り越えられるし、無理なときは外注する手段だってあります。
いろいろな可能性を考え、一緒に話し合うことが、夫婦としてありたい姿。ただ諦めるだけなのは、本当にもったいないことだと筆者は思います。
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本来なら、働きたい、稼ぎたいという妻は歓迎されるのが当然です。
プライドが邪魔して活躍を受け入れられないとしても、その不満を妻が我慢しなければいけない理由はなく、こんな夫はまず「夫婦は対等である」ことを思い出す必要があります。
お互いを思いやり、協力しあって生活を支えていくのが、夫婦としての喜びの一つです。仕事を諦める前に、自分はどうありたいのかをしっかり考えてみてください。