――このアルバムには新たに「Birth」という曲を収録していますね。

toku:この曲は当時デモとして作っていたものを今回、ライブ向きのアレンジにして収録しました。

やっぱり、ライブ活動からフィードバックすることが多くて、もっとライブを見据えて作っていく必要があるなと思ったんです。

メイリア:当時はそんなにライブをやっていこうっていう感じではなかったんですよね。

toku:僕らが作っていたのって、つまるところデスクトップロックだったんだなと反省するところもありました。

今はライブをやりたいという思考にシフトしたので、そういうところでも作り方が変わってきましたね。

メイリア:特に海外でのイベント出演を経験したことが成長につながっているなと感じています。

国によって反応が違ったり、言葉の壁を越えた何かが音楽にはあるなと。伝えたいから手振りをしたり、表情で伝えたりとか、観客の目をしっかり見たりとか。

そういうことって音楽には重要だし、声だけではなくいろんな方法での伝え方があると感じました。

日本でも地域によってノリ方が違ったりして、いろんな人に出会って届けに行くことによってどうしたらもっと伝わるかという表現の仕方はボーカリストとして考えるようになりました。

――当初からステージを楽しめていましたか?

メイリア:いえ、はじめの頃は緊張もしたしプレッシャーもあったし、イベントでの出演だったから初めて私たちを見る方が多かったので、お互いに探りあいみたいな感じがあって、心から楽しめていたかというと……。

「何か刻んでやるぞ」みたいな感じで向かっていたので、自分自身が楽しむことをなかなか考えられなかったかもしれないですね。

それが変わったのはワンマンライブを経てからでした。私たちのことだけを観に来ている人がこんなにいたんだと分かったことはすごく大きな自信に繋がりましたし、そこからは「自分自身がまず楽しもう」と吹っ切れたところがあります。

ライブを重ねるごとにお客さんの側にも楽曲の楽しみ方が浸透していって、みんなのレスポンスが返ってくることがすごく嬉しいですし、今は歌うことをものすごく楽しめています。