個性的な“胡散臭い”脇役も注目
T.O.Pはもちろんだが、脇を固めるクセのある個性的なキャラクターたちも目を引く。イイ意味で胡散臭くて、きっと愛着すら湧いてくるはず!? また、韓国作品に精通している人なら、この豪華な顔ぶれにちょっとテンションがあがりそうだ。
テギルの初恋の相手、ミナを演じるシン・セギョンは、涙の演技で有名だが、今作では、兄(キム・イングォン、彼も見ればわかるはず)の顔を足で踏みつけるなど登場シーンから驚かせてくれる。これまでの役柄と比べるとかなり破天荒な役だが、ノビノビと罵詈雑言を浴びせたりセクシーな姿を披露したりと、見事に役にハマっている。
初っ端でユ・ヘジンが登場すると、なんだか安心と不安が入り混じる。(前作を知っているなら安心か!?)テギルの師匠となるコ・グァンリョルは、ゴニ(前作の主人公)の元パートナーで、テギルにタチャとしての手さばきだけでなく、人の心を読む術を教える情深く、人間味溢れるタチャ。師弟というより、まるで父子のようなふたりの様子は、緊迫する作品の中で、ほっこりさせてくれる。
テギルを陥れる極悪ヤミ金業者チャン・ドンシクとして登場するのは、ドラマ『ファントム』の“狂った牛”でおなじみのクァク・ドウォン。(初め誰だかわからなかった!)ミナを人質に、テギルと敵対する役どころだが、憎たらしさも一周回って惚れ惚れしてくる(と思う)。
『追撃者』『ファイ~怪物を飲み込んだ子』『10人の泥棒たち』など数々の作品で強烈な印象を残すベテラン俳優キム・ユンソクが演じるのは、3本指に入る伝説のタチャ、アグィ。登場シーンは多くないが、その存在感たるや……!! 残酷な賭けを楽しむ趣向があるアグィの悪趣味にワクワクした。ちなみに、終盤では、T.O.Pと女性ふたりに加え、クァク・ドウォンとキム・ユンソクも脱いでいて、なかなかシュールだ……。
そして、イ・ハニ演じる“賭場界の華”ウ社長は、美しく華やかな容姿で賭博場に訪れる男たちを手玉に取り利用しようとする。テギルもしかり。本作は、裏稼業の真剣勝負を描くが、イ・ハニの大人女子V.S.シン・セギョンの小悪魔女子といった、女性ふたりの勝負も別の意味で見どころだ。