『はるになったら』
こちらは、外国の絵本です。邦題もステキですが、現題は”Do you know what I'll do?”、つまり「私が何をすると思う?」という意味です。問いかけになっているのですね。
主人公の「ちいさなおんなのこ」は、どこに行っても、なにをしていても、心は「ちいさなおとうと」のことでいっぱい。どのページにも、弟になにかしてあげたくてたまらない女の子の気持ちがあふれています。
春になったら、海に行ったら、と空想はふくらみます。
作者のゾロトウは、他に『ねえさんといもうと』でもきょうだいを描いていますが、一貫して子どもの目線で世界を描くき出す力には定評があります。
『ピーターといす』
赤ちゃんが生まれてから、ピーターはなにかとおもしろくありません。
遊んでいても怒られてばかりだし、ピーターのものだったゆりかごや赤ちゃんベッドも、どんどん妹用にピンクに塗り替えられていくんです。
まだ塗られていない小さないすをみつけたピーターは、犬のウィリーといすと一緒に、家出することに・・・というストーリーなのですが、ピーターは、今回ご紹介した絵本のなかではもっとも現実味のある子どもかもしれませんね。
大きくなることはうれしい、お兄ちゃんになることはうれしい、だけど、ちょっと足踏みしてしまうこともあります。
妹が生まれたピーターが味わう心の揺れと成長を、ページをめくりながら見守ってあげてください。
1969年に翻訳されてから長ーく愛されているロングセラー絵本です。
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きょうだいができて、ますます忙しくなるかもしれませんが、この時期に読んであげた絵本は、子どもにとっても、またパパママにとっても、忘れられないものになるのではないでしょうか。
ぜひ、お気に入りの一冊を見つけてくださいね。