2位…『ベテラン』

『ベテラン』©2015 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved

本人が「僕が考える一番悪い奴を思い浮かべて演じた」と語る御曹司チョ・テオ。記録的な大ヒットとなったこの作品の中のユ・アインは、これまでのどの作品とも違う顔をしている。大人はもちろん、子どもにも動物にも容赦のない“最悪な男”を、一分の同情も感じさせないキャラクターとして作り上げているところが、最高にすばらしく、「こんな男には絶対会いたくない!」と、心の底から思わせてくれる。今後、何十年にもわたって「俳優ユ・アインの代表作」として記憶されるであろう名演技に加え、派手なカーチェイスや格闘シーンも見せている。

公開情報
12月12日よりシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー
配給:CJ Entertainment Japan
©2015 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved

1位 …『思悼(サド)』

ドラマ『イ・サン』でおなじみの朝鮮第22代王・正祖。思悼世子は彼の父親で、実の父である第21代王・英祖によって櫃の中に閉じ込められ、短い命を終えた悲劇の王子だ。そんな彼が「なぜ、死ななければならなかったのか?」が描かれるこの映画でユ・アインは、父親との葛藤に悩み、自暴自棄になっていく主人公をパワフルに演じ、青龍賞で主演男優賞を受賞した。授賞式では「いつも恥ずかしい。幸せでうれしくて、誇らしい瞬間より、恥ずかしくて出るのも嫌な瞬間のほうが多い。これからも成長していく俳優になる」と謙虚にコメント。本作のソン・ガンホ、『ベテラン』のファン・ジョンミン、『六龍が飛ぶ』のキム・ミョンミンと、いずれ劣らぬ演技力を誇る先輩たちとの共演も、俳優としての強運を証明している。

SHOWBOX公式YouTubeにて『思悼(サド)』予告映像ほかを観る

さとう ゆう ライター。留学経験を生かし、映画やドラマなど、韓国エンターテインメントについての記事を『韓流ぴあ』『キネマ旬報』などに執筆。訳書に『私書箱110号の郵便物』(イ・ドウ著/アチーブメント出版)がある。

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