これからどうなる?変動金利?固定金利?
…とここまで書き綴ると、まるで私が消費税増税後の住宅購入をおすすめしているように感じるかもしれません。
できるだけ税制を味方につけて有利に購入してほしいですが、税制以上に注意を払ってほしい住宅ローンについて、最後にお伝えしたいと思います。
住宅購入にあたっての相談現場で多い質問の一つが、住宅ローンを「変動金利にするか、固定金利にするか」「今はどっちの金利がいいのでしょうか?」という相談です。
変動金利とは文字通り金利が変わります。今は低金利なため現在の金利でシミュレーションすると、住宅ローンの支払総額が低くおさえられ、月々の返済も比較的楽に感じられます。
ですが、住宅の場合金額が大きいので、金利が1%上がるだけで、支払総額が増えるダメージは大きいです。
そのため、少しでも金利が上がったら家計が成り立たないという方は、変動金利を選択しないほうがよいといえます。
変動金利を選んでもよい方は、もしある程度金利が上昇しても貯蓄から繰り上げ返済できる、もしくは月々の家計に余裕があるというご家庭でしょう。
また固定金利にすると、変動金利と比べ月々の返済額はアップしますが、長い歴史から見ると今も低金利には変わらないので、安心を買うためにという考え方ができます。
いずれにしても住宅購入でローンを組む場合は、ローンの返済が終わるまで住宅は自分のものではありません。しかも30年、35年と長く続くローンがほとんどです。
30年後、35年後の金利の予想は誰しもできるものではありません。
自分自身でずっとその金額を支払っていけるのか、何歳で支払いが終了するのか、どこかで繰り上げ返済をできるか…など、ざっくりでもシミュレーションしたり、ライフプランを立ててから幸せなマイホームを手に入れましょう。
八木 陽子
キッズ・マネー・ステーション代表/ファイナンシャルプランナー
日本では数少ない金融商品を販売しないFP事務所を運営。平成29年に文部科学省検定の高等学校の家庭科の教科書に日本のファイナンシャルプランナーとして掲載される。NHK「ウワサの保護者会」などメディア出演多数。